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今井達也のNPBでの成績は?今季から参加するMLBでの成績予想も紹介!

2025年オフ、埼玉西武ライオンズのエース・今井達也がポスティングシステムを利用してMLBへの移籍を果たしました。移籍先はヒューストン・アストロズで、3年総額5400万ドル(約85億円)という契約を締結しています。出来高を含めると最大6300万ドル(約99億円)に達する可能性もあります

今井選手は栃木県の作新学院高校出身で、2016年夏の甲子園で同校を54年ぶりの全国制覇に導いた優勝投手です。プロ入り後は8シーズンにわたって西武の先発ローテーションを支え、2024年には最多奪三振のタイトルを獲得しました。2025年には防御率1.92という自己最高の成績を残し、エースとしての地位を確立しています。

この記事では、今井選手のNPBでの通算成績や輝かしい実績、選手としての特徴、そして今季からスタートするMLBでの成績予想まで詳しく解説します。

今井達也のNPBでの成績

今井達也選手は2016年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから1位指名を受けました。栃木県鹿沼市出身で、作新学院高校では3年夏に甲子園優勝投手となった逸材です。契約金は1億円(出来高払い5000万円含む)、背番号は同年オフにFAで楽天に移籍した岸孝之投手が着用していた「11」を受け継ぎました。

プロ1年目は右肩関節唇の炎症により二軍調整が続きましたが、2年目の2018年にプロ初登板を果たします。6月13日のヤクルト戦で6回1失点の好投を見せ、プロ初勝利を挙げました。その後は先発ローテーションの一角として定着し、着実に成長を遂げています。

以下は今井選手のNPBでの年度別投手成績です。

年度登板勝利敗北完投完封投球回奪三振四球防御率
201815551078.265354.81
2019237911135.1105724.32
202019340061.244526.13
2021258831158.1137993.30
20229510059.261342.41
20231910521133.0130612.30
20242510821173.1187702.34
20252410553163.2178451.92
通算1595845147963.29074683.15

通算8シーズンで58勝45敗、907奪三振は27歳という年齢を考えると素晴らしいペースです。特に2023年から3年連続で2桁勝利を達成し、直近3シーズンの通算防御率は2.18と圧倒的な安定感を見せました。

最多奪三振

今井達也選手は2024年シーズンに187奪三振を記録し、自身初となる最多奪三振のタイトルを獲得しました。西武の投手が最多奪三振を獲得するのは、2005年の松坂大輔投手以来19年ぶりの快挙です。

2024年シーズンの今井選手は開幕投手を務め、初登板から7試合で6度のハイクオリティスタート(HQS)を記録しました。最終的には25試合に先発登板し、10勝8敗、防御率2.34という成績を残しています。

今井選手の三振奪取能力の高さを示すデータとして、2ストライクからの三振確率50.5%(リーグ2位)が挙げられます。翌2025年シーズンも178奪三振を記録し、6月17日の横浜DeNA戦では1試合17奪三振という圧巻の投球を見せました。これは松坂大輔投手が保持していた球団記録(16奪三振)を更新する大記録で、NPB歴代5位タイにもランクインしています。

今井達也の選手としての特徴

今井達也選手は身長180cm、体重80kgという体格を持つ右投げ右打ちの投手です。背番号は「11」から2023年に「48」へ変更し、アストロズでは「45」を着用します。この番号はかつてゲリット・コール投手やザック・ウィーラー投手が着用していたもので、今井選手が目標とする投手たちにちなんで選択しました。

投球フォームの特徴として、スリークォーターよりも低い位置でのリリースポイントが挙げられます。余計な力を極力入れない独特のフォームから繰り出す投球は、打者のタイミングを狂わせます。本人も「僕は真っすぐとスライダーが基本の投手」と自らを評しており、2球種で投球の9割近くを占めるという特異なスタイルです。

ストレート

今井達也選手の最大の武器は、低いリリースポイントから繰り出される伸びのあるストレートです。平均球速は約153キロで、最速では160キロを記録しています。一般的な投手とは異なる軌道で高めに到達するため、打者からは「浮き上がって見える」と評されています。

巨人の甲斐拓也捕手は「腕の振り以上に球が来る。タイミングが取りづらい」と驚きを語っています。低い位置から投げられた球が高めのストライクゾーンに決まることで、打者は対応に苦しむのです。

このフォームを作り上げた背景には、様々な投手のモノマネがあったといいます。高校時代は大谷翔平投手、プロ4年目にはダルビッシュ有投手、プロ6年目からは千賀滉大投手のフォームを研究しました。

2022年オフには鴻江寿治氏の合同自主トレに参加し、自分の感覚にマッチする投球フォームに辿り着きました。「自分の体の癖を生かしていく理論のおかげで、100球投げても疲労を感じなくなった」と語り、試合終盤でも球速が落ちない秘訣となっています。

「逆方向」に動くスライダー

今井達也選手のもう一つの大きな武器が、「逆方向に動く」と評される独特のスライダーです。通常、右投手のスライダーは捕手から見て右から左に曲がりますが、今井選手の場合は逆方向(左から右)に動くことがあります。

今井選手のスライダーの最大の特徴は「膨らまない」ことです。一般的なスライダーは投げた後に一度膨らんでから曲がりますが、今井選手のスライダーは途中までストレートと全く同じ軌道から急激に変化します。また、「らせん状」のジャイロ回転をしており、手元でやや不規則に落ちます。

2023年シーズンには、300球以上スライダーを投じた投手の中で12球団トップとなる空振り率19.5%を記録しました。 このスライダーの評判は他球団の投手にも広まり、ロッテの種市篤暉投手やソフトバンクの石川柊太投手が教えを請うほどでした。

圧倒的な奪三振能力

今井達也選手の圧倒的な奪三振能力は、ストレートとスライダーの組み合わせによって生み出されています。2024年シーズンからは配球の変化があり、スライダーの投球割合が前年の29.8%から41.8%に増加しました。ストレートとスライダーの2球種で投球の9割近くを占めるという、先発投手としては異例のスタイルです。

パ・リーグで投球割合が40%を超える2つの球種で投球を組み立てる先発投手は今井選手のみとされています。まるでリリーフ投手のような投球スタイルで先発ローテーションをこなしているのです。

今井選手の特筆すべき点は、3巡目以降でも相手を圧倒していることです。一般的に先発投手は対戦を重ねるごとに成績が低下しますが、今井選手は逆に3巡目以降で奪三振割合が約7ポイント上昇しています。2025年シーズンは与四球率2.47を記録し、リーグ最多の3無四球試合を達成するなど、制球面も大幅に改善しました。

国際大会での成績

今井達也選手はNPBでの活躍だけでなく、国際大会でも日本代表として経験を積んできました。2016年には高校日本代表としてU-18アジア選手権で優勝を経験し、2023年以降はトップチームでも活躍しています

アジアプロ野球チャンピオンシップ

今井達也選手は2023年11月に開催されたカーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023に日本代表として出場しました。この大会は井端弘和監督就任後初の国際大会であり、今井選手はオーバーエイジ枠での選出となっています。

大会は日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリアの4カ国で争われました。日本は予選ラウンドで3連勝し、決勝に進出しています。

今井選手は決勝の韓国戦で先発マウンドを託されましたが、3回に先頭打者への四球と味方の失策が絡み、2点を先制されました。結果的に4回5安打2失点(自責点1)で降板となりましたが、その後チームは逆転し、延長10回にサヨナラ勝ちを収めています。今井選手に勝ち負けはつきませんでしたが、日本は2017年大会に続く連覇を達成しました。

ラグザス侍ジャパンシリーズ2025

今井達也選手は2025年3月に開催されたラグザス侍ジャパンシリーズ2025にも日本代表として選出されました。この大会は2026年WBCに向けた強化試合として位置づけられ、オランダ代表との2試合が行われています。

大会は3月5日と6日に京セラドーム大阪で開催されました。井端監督は「中継ぎ左腕と長打力」の強化を目的にメンバーを選出し、今井選手も28選手の中に名を連ねています。日本は初戦を5-0、2戦目を9-0と連勝し、オランダに2試合連続完封勝利を収めました。

なお、今井選手は2026年1月のアストロズ入団会見時に、2026年WBCへの不参加を表明しています。初めてのMLBシーズンに集中するという判断でしたが、予備登録選手(DPP)には今井選手の名前が含まれており、将来的な日本代表での活躍も期待されています。

MLBでの成績予想

今井達也選手は2026年1月2日にヒューストン・アストロズと3年総額5400万ドル(約85億円)で契約を結びました。出来高を含めると最大6300万ドル(約99億円)に達する可能性があり、背番号は「45」に決まりました。

MLBでの活躍を占う上で、まず注目されるのは現地の野球への適応です。NPBとMLBではボールの質、投手のレベル、シーズンの長さなど様々な違いがあります。特にMLBのボールはNPBより滑りやすいとされ、制球に苦しむ日本人投手も少なくありません。

今井選手の課題として挙げられているのが四球の多さです。NPBでの通算与四球数は468で、2021年にはリーグ最多の99四球を記録しました。2025年は与四球率2.47と大幅に改善しましたが、「メジャー球への対応を考えると1年目は荒れそう」という見方もあります。

一方、今井選手のストレートスライダーは、MLBでも通用するポテンシャルを秘めています。MLB公式サイトの分析では、今井選手はマリナーズのルイス・カスティーヨ投手に例えられています。

「FanGraphs」の成績予測によると、メジャー1年目の今井選手は26先発で8勝、防御率4.29という数字が予想されています。アストロズは2017年と2022年にワールドシリーズを制覇した強豪で、今井選手はハンター・ブラウン投手に次ぐ2番手として期待されています。3年契約には2026年と2027年のシーズン終了後にオプトアウトの権利が付いており、好成績を残せばさらなる大型契約を狙うことも可能です。

まとめ

今井達也選手は、NPBで数々の実績を積み重ねてきた西武のエースです。2016年夏の甲子園で作新学院を54年ぶりの全国制覇に導いた優勝投手として注目を集め、ドラフト1位でプロ入りしました。

プロ8シーズンで通算58勝45敗、907奪三振を記録し、2024年には最多奪三振のタイトルを獲得しています。2025年には防御率1.92、5完投、3完封という自己最高の成績を残し、球団記録となる1試合17奪三振も達成しました。

低いリリースポイントから繰り出すストレートと、「逆方向に動く」と評される独特のスライダーは、MLBでも通用するポテンシャルを秘めています。2026年シーズンからはヒューストン・アストロズでMLBキャリアをスタートさせます。

初年度は適応期間となる可能性がありますが、FanGraphsの予測では26先発で8勝という数字も出ています。ストレートとスライダーという2球種を武器に、メジャーの打者から三振を奪い続ける姿が期待されます。甲子園優勝投手からNPBのエース、そしてMLBへ。今井達也選手の挑戦から目が離せません。