試合結果詳細

アカシアが土壇場で追いつき引き分けた。3点のビハインドで迎えた最終回、二死からこの試合初めて打席に立った先発投手・オカケンがタイムリー内野安打を放ち1点を返すと、満塁から2番・「アカシア史上最年少助っ人(中2)」清原が4打点目となる２点タイムリーを放ち同点に追いついた。勝ちのなくなった最後の守りは＂零系リレー＂、粘投の「0番」オカケンに代わって「00番」大倉が登板。3塁にランナーを置くもゼロで封じ、今季お馴染みとなった4度目のサヨナラ負けを回避した。




【初出場の関西アカシア大会から3年、ついに草初安打を記録した「バスケ部勢最後の大物」西野選手の談話】
「オカケン、隅田さん（山村の後輩ね）の力によるものだと思います。行きの車で初絡みにも関わらずテンションを上げてくれました。感謝です。」

【3安打4打点の大活躍に加え、準備・後片付け・球拾いを積極的に行う後輩力で首脳陣を唸らせた助っ人史上最年少デビュー(中2)清原選手の談話】
「およそ1年前、文男Xvideosの先輩紳士の方々に、絶えず付きまとう女人絡みの噂や、常軌を逸する異様なまでの発汗から、登録名を「清原」に強制変更された時、まだ蒙古斑の残る青二才であった手前は、ことの重大さを理解していませんでした。

両親から授かり受けた精悍な顔付き、180cmを超える身長、文学部での確固たる権力や、それらに惚れ溺れる数多の女人。
「人生イージーすわ。」
バイクにもたれ、缶珈琲を片手に煙草を吹かしながら、自然にこぼれた一言。
先輩は背が低いから、人に誇れるような顔面ではないから、噂になるような女人さえいないから、ぎっちょで撫で肩で中トロだから、だからこんなに自分のことを責めるんだ。当時の手前はそんな愚かな考えさえ持っていたかもしれません。

間もなく、先輩紳士の方々は晴れてご卒業され、日本各地に散り散りに。
やきうはもっての他、お会いすることさえできない日々が続く中、いつの間にか生まれ、徐々に大きくなり、いよいよ無視できなくなってしまった本音。


"やきうがしたい"


なんとも情けない話なのですが、手前はこの時になって、ようやっと気が付いたのです。

先輩紳士とやきうができること、それは決して当たり前なんかではなかったということに。

文男Xvideosのチームスローガン、

"Xboyたるもの紳士たれ"

オーナー山村紳士や、キャプテン中トロ君紳士、その他の先輩紳士の方々の心意気の表れでもあります。

手前の愚かさに気付いた時、やり場のない気持ち、振らなくても良いバットを振り、やきうに真摯に向き合っていなかった手前自身への憤りが募りました。
色欲を捨て、ただひたすらにやきうだけを思い、夜な夜なバットを振り続ける毎日。
それでもやきうはできない。
悶々としたまま、ただ月日だけが流れていきました。

これまで文男Xvideosと幾多の死闘を繰り広げてきたアカシアオールスターズさんから招集要請がきたのはそんな時でした。
過去の自分と決別する為にこの試合で結果を残したい、その決意で満ち溢れた心に、もはや不安や緊張といった感情が入り込む余地は幾ばくもありませんでした。


晴れた空

響く打球音

交わる笑い声

厳しくも優しい声援


目頭が熱くなるのを止めることなど、到底できるはずもありませんでした。

岩国くんだりからやってきた、何もなかったクソガキに、やきうの楽しさを教えてくれた先輩紳士達。
なにより楽しかった文男Xvideosの試合。

「バカだなァ。」

静かに頬を伝い、囁いた口に辿り着いた涙は、初めて文男Xvideosに招集された試合で何もできずに悔しい思いをした、３年前のあの日と同じ味でした。


アカシアオールスターズの皆様、今回の招集要請、本当に、本当にありがとうございました。
そして文男Xvideosの親愛なる先輩紳士の方々、もう汚れていた当時の自分はいません。
また共にやきうができる日を、ご存知、大地に根をはって、心待ちにしています。」