試合結果詳細

ニセアカシア｜０３２０１００００００｜６
アカシアＡＳ｜００１２１１１０００1x｜７

平石メモリアルスタジアムのこけら落としとともに卒業生を送り出すために開催された第5回アカシア野球大会。今回も熱い試合が展開された。

アカシアの先発は春から三井住友銀行に就職する卒業生・アンダースローが自慢の鳴川。日南田竹内安富の上位打線を3者凡退に退け上々の立ち上がりを見せる。対するニセアカシア先発はエース寺西。こちらも2イニングともに3者凡退に打ち取りしっかりとゲームを作る。

試合が動いたのは2回表、ニセアカシア先頭の平石が自らの冠球場完成に祝砲となるツーベースを放つと、続く神岡の平凡なショートゴロを就活の影響かTAICHIが弾いてしまい出塁を許す。寺西を死球で歩かせ無死満塁の大ピンチ。しかし鳴川はこのピンチをピッチャーゴロと三振にきってとりツーアウトまでこぎつけると打席には非附属生のからから亭。ここまで通算ヒット０本であり勝負あったかに思えたが、鳴川の速球を叩きレフト前へ初安打となる先制のタイムリーヒットを放つ。続く的場にも２点タイムリーが飛び出しニセアカシアが３点を先制する。
３回の表もニセアカシアは手を緩めず寺西のタイムリーツーベースで２点を追加。５－０と大きく相手を突き放す。

反撃に出たいアカシアはその裏、先頭の村田が初ヒットとなるショート強襲のヒットを放ち出塁すると、打席には春から広島県高校の化学科教員となる堀内。１塁線を空けたシフトを狙い澄ましたかのように外角の球をライト線へ運ぶ技ありのタイムリーツーベースが飛び出し村田が一気に本塁を陥れ、反撃の１点を挙げる。続く４回には代わった山村の制球が定まらないところを見きわめ５連続四球で２点を追加。じわじわと追い上げる。

リードを広げておきたいニセアカシアは５回、２死２塁で打席には神岡。高く上がった平凡なレフトフライを打ち上げ誰もがチェンジと思いベンチへと足を運んだが、この打球を左翼手川本が落下点を見誤り尻もちをついた上打球を取れないという痛恨のミス。１点を追加し６－３とアカシアを突き放す。

なおも反撃を続けるアカシアはその裏、鳴川を１塁に置き再三のエラーで足を引っ張ったTAICHIが意地の一振り。打球はレフトの頭を越すタイムリーツーベースとなり１点を追加。次の回も相手の守備が乱れる間に１点を挙げついにその差は１点となる。追いつきたいアカシアはそのまま流れに乗り７回、連続フォアボールのあと２連続三振を喫し、打席にはキャプテン村田。外角の直球をフルスイングすると打球は軟式特有のスピンがかかり（通称ねずみ花火）ファールゾーンからフェアゾーンに戻る。この際村田の投げたバットに接触したとのアピールがあったが、カメラも審判もその瞬間を捉えられず結果はセーフ。この間にランナーが帰り、秘打ねずみ花火の同点タイムリーという形で３回から得点を重ねたアカシアが遂に追いつく。

８回は両チーム得点圏にランナーを背負うも後続を断ち切り無失点で切り抜ける。特にアカシアはツーアウトから鳴川甲斐が連打で繋ぎTAICHIが四球を選び打席は４番川本。２死満塁で初ヒットが決勝打となることが期待されるも結果はいつも通りの三振で逆転ならず。続く９回もアカシアは得点圏のピンチを切り抜けると９回裏今日１番のドラマが待っていた―
浅野が勝原から三振を奪った後連続四球を与えピッチャーを寺西にチェンジ。この際寺西はチームの作戦である「堀内三振で武田四死球で歩かせ９回裏２アウト満塁で出本と山村勝負」という任務を見事に遂行し２死満塁で打席に出本を迎えた所でバトンを山村に渡し運命を託す。チームの命運を握った出本はまず気持ちで応戦。荒れ球快速球を誇る山村を相手に服を脱ぎ威嚇。山村出本の男のサッカー部対決に勝負の運命が託されたこの場面、追い込まれた出本が山村の剛速球をバットを振りながら体で止めるという気迫を見せ乳首が腫れあがりながらもフルカウントに持ち込むも、最後は山村の真ん中速球に振り遅れてしまい三振。男の勝負は山村に軍配があがり試合は延長戦にもつれ込む。

延長１０回からアカシアのマウンドには正月のアカシア野球大会でひとつのアウトも取れず自責点７を喫した雪辱を期す勝原。２死１塁からからから亭にヒットを浴びピンチを迎えマウンドで円陣を組む。そして試合が再開した瞬間、１塁藤本がランナーからから亭にタッチ―隠し球が見事に決まりチェンジ。流れはアカシアに大きく傾く。ニセアカシア１０回のマウンドは日南田。しかし非常に愛くるしい投げ方であるためキャッチャーに届かず、マウンドに上がることができず中間地点からの投球を強いられる。砲丸投げを彷彿とさせるフォームから超遅球を繰り出し鋭い当たりを打たれるも正面のライナーをついてアウト。先頭を切るものの続く打者には打たれ１死２，３塁のピンチを迎える。ここで打席には４番川本。絶対に打たれるピッチャーと絶対に打てないバッターのほこたて対決に大きく注目が集まったが、スローボールもやはりバットには当たらず三振に倒れほこたて対決は絶対に打てないバッターに軍配があがる。勝原がヒットで繋ぎ満塁とし２死満塁で打席には藤本。この場面で三冠王を争った打者を迎え勝負ありと思われたがここで藤本が日南田に対しまさかの三振。アカシアはサヨナラならず。

延長１１回、続投した勝原が三者凡退に抑え流れをつかむとその裏ピッチャーが底をつき始めたニセアカシアはピッチャーに安富を指名。フォアボールとエラーでランナーをためると打席には今日再三のチャンスで４度のピッチャーゴロに倒れた出本。誰も期待していない中、安富の直球をとらえると打球は寺西平石の鉄壁の左中間の頭を越えるツーベースとなり１塁走者村田が生還。アカシアがサヨナラを決め殊勲のサヨナラ打を放った出本はもみくちゃにされお決まりの全裸。この状況で記念撮影を行い試合終了。第５回アカシア野球大会は初のサヨナラゲームとなった。

その後サッカーのミニゲームで汗を流し、卒業生の春からの益々の活躍を願い第５回アカシア野球大会は幕を閉じた。