試合結果詳細

二日後からの西日本シリーズ及びABF2014への最終調整に臨むアカシア。対戦相手は、アカシアのメンバーであり、まだ二十歳そこらで草野球界の｢壊し屋｣の異名を持つ西(DAKARA)が広島東洋ギャラドスを解体して、作ったレッドスターズ。ちなみに前身の広島東洋ギャラドスとの対戦では、一回フルボッコにされ、一回フルボッコにしたという奇妙な相手。ともかく今日は調整試合の意味合いが強く、各々のしたいことを試せという監督の指示があったが、選手たちは生き残りをかけ必死だ。

試合はいきなり初回に動く。
東京から帰省中の1番・いがもち兄、特注の木製バットをおもいきり振りぬき右中間へのツーベース。さらに2番・いがもち弟がセフティーバントで、相手の虚をつくと、エラーを誘いだし、いっきにいがもち兄がホームへ生還。最強の野球一家・いがもち一族のいがもち兄弟が、剛と柔のいがもちをを惜しげもなく披露し、アカシアがまたたくまに先制点をもぎ取った。
※いがもちは、餡に餅をくるんだものに、着色したもち米をのせたもので、岡部兄弟の出身地呉地方の名産である。岡部Jr.はそれをいたく気に入っており、自称している。また、アカシアオールスターズにおいては、岡部兄弟の総称としていがもちが使われている。

しかしその裏、先発TAICHIが先頭に死球を与えると、2番打者の平凡なサードゴロを、いがもち弟が、2塁ベースに移動しながらも一塁を指すという矛盾した動きをしているセカンドYUKIに惑わされ、フィルダースチョイス。３・４番を打ちとったものの、５番・セント君に右中間へのタイムリーツーベースを浴び、今シーズン初の自責点で、逆転を許す。

４回裏、平石が四球で許したランナーを内野ゴロの間に、得点圏にすすめられ、レフトへのタイムリーを許す。しかしその後、二進していたバッターランナーをキャッチャーいがもち兄が信じられない軌道と速さの送球で刺し、圧倒的な格の違いを見せつける。

５回表、いがもち兄のライトへのツーベース、弟の死球でチャンスをつくると、相手のエラーで二点をとり、アカシアは同点に追いつく。

５回終了後、カズが部活のため、タクシーで帰宅。今日の成績は、四球・三振。彼は何をしに来たのだろう。その後のライトの守備は、治療中の神岡・ピンクのカーディガンでグランドに春風を運ぶ川本・マネージャー西村の中から、１回ごとに、じゃんけんで負けた者が守るという、二日後から西日本の王者を争うチームとは思えない暴挙が起こる。

６回も、相手のエラーのみで得点し、アカシアは逆転。レッドスターズの先発は、制球のいいストレートで好投をつづけるも守備の乱れが失点につながってしまう。
５・６回は片岡がピンチを作りながらも、粘りのピッチングを見せ無失点に抑える。

７回表、ワンアウトからYUKIがセンターへのヒットで出塁すると、続くはキャプテン村田。ここまで三打席でヒットこそ１本だが、全打席芯でとらえ絶好調。注目の第４打席は、本人いわく人生一の飛距離と言うレフトへの大飛球を放つ。しかし、空気が読めず、恩をあだで返す傾向の強いレフト西が、スーパーキャッチを見せまたも凡退に終わってしまう。ここで、打った後、まるでホームランを打ったかのように歩き走る素振りを見せなかった村田の動きにヒットを確信したYUKIは二塁を大きく回っておりアウトになってしまう。

８回、終盤のアカシア【終末の悪魔・アカシア】がまたもその攻撃力を発揮する。
せっかく買ったズボンが、変。と不評で、ベンチのヤジに心を痛め自分のバッティングがまったく出来ていなかったTAICHIがセンターへのヒットで出塁すると、いがもち兄がエラー出塁。独特なバッティングフォームで物議を醸していた片岡が四球で満塁のチャンスをつくる。４番平石が押し出しデッドボールで１点を加え、TAICHIの助言で自分のバッティングを取り戻したYUKIが猛打賞となるセンターへの鋭いタイムリー、記録にならない好調を維持する村田がしっかりと四球を選びさらに点を加える。ここで、迎えるはアカシアの満塁男こと野球。しかし彼は、入団以来最悪のスランプに陥っており、今日４つ目、この回２つ目の三振を喫し、大好きなチャンスをみすみす逃してしまった。

その裏、打撃で目立てなかった目立ちたがり屋の、平石ガクが守備で目立とうとして、何でもないショートゴロをエラーして１点を失うも、アカシアは９回にも２点を加え、最後はライト西村の目に余る怠惰な守備があったものの、いがもち弟がしっかり抑え、終わってみれば９－４で快勝。
片岡のうるささ、野球の不調など、西日本シリーズ・ABFに向けて課題は少なからずあるものの、盤石の態勢を整えたといえるだろう。




【５打数３安打３打点で西日本シリーズ・ABFに向けて万全の調整を果たしたYUKI選手の談話】
「間に合いました！！(副主将スマイル)
ここ数試合、ヒットこそ出ているものの、本来の姿とは程遠く、バットが湿っていたことをファンにお詫び申し上げたい。この日は、行きの車中でも、いつもはウォークマンをランダム再生しているんですが、原点に帰るという意味で、JUDY AND MARYのCDを永遠と聞いていました。体から湧き上がるこの力。やはり僕はYUKIで、一番愛してるのはYUKIなんだなと確信しました。
そしてやっぱ野球って楽しいです。
７日は敵として対峙することになるけど、アカシアの強さは本物です。強いチームだからこそ、敵になってもIm fine O.K!!　気持の切り替えは難しいけど、与えられた場所で全力で楽しもうと思います。」


【二塁打を二本放つなど出塁したら五度全てホームへ還り、投手としても上々のピッチングを見せた、いがもち兄選手の談話】
「暖かくなってきたことで体の方は仕上がってきている。今日はABFに向けていろいろ試すことができ収穫の多い試合だった。あとはABFで結果を残すだけ。集中して気持ちを高めていく。」


【6打数0安打4三振とこれまでにない深刻な打撃不振に陥っている野球選手の談話】
「今日はボールがバットにかすりもしない、くそみたいな打席をお見せしてしまいホントに申し訳ないです。もし負けてたら戦犯は完全に僕でした…
ただ打席数を増すにつれ、自分の苦手なコースを徐々に知れてきています。試合後に平石選手達からアドバイスをもらったので、今日明日で自分を見つめ直し、バッセンに行って今日できなかった調整をしっかりしたいと思います。とりあえず今から素振り1000回してきます。」


【監督の談話】
「今日は試したい投手、守備位置を全て試すことができ、各選手の状態を確認することのできた実り多い試合だった。対戦相手のレッドスターズも投手が素晴らしい球を投げており調整にふさわしい相手だった。こちらのペースに合わせて試合をしていただき本当にありがとうございました。
投手陣は5人全ての投手がしっかりと任されたイニングを安定した投球を見せており直前の調整にしては合格点を十分与えられるものであった。投手陣の起用について心は固まり、本人には試合後の面談にて起用法を通知した。あとは彼らが心の準備をして身体のコンディションを整えて臨んでくれれば自ずと結果はついてくるだろう。
打線に関しては岡部兄の5得点が特筆すべき点。長打を放ち凡打でもエラーを誘い塁に出て、そのランナーを二番以下で毎回きちんと還せたことはとても価値がある。アカシアの得点力に期待が持てる結果を出してくれたよ。9得点とはいえまだ相手のエラーや四球などのミスに助けられた面もあるので、気を引き締めて次はもっと自分達の力で得点を奪えるよう頑張りたい。
(記者:ご自身の状態の良さに関しては？)そうだねぇ、ちょっと経験したことがないほど調子がいいね（笑）昨日の結果は4打数1安打だったけれども痛烈なライナーにレフトへの特大の飛球など内容は圧倒的に光っていた。昨季からひどい状態がずっと続いていたがこの大舞台に合わせるかのように急激に状態を上げるあたりがスター性というものなのか。それは冗談だが、このチームにおいて1人の選手として村田の絶好調はものすごく大きい。野球人生最大の状態の良さで大会に臨みます。
ファンの皆様、選手の皆様に夢のような3日間をお届けします。アカシアオールスターズ各選手はこの大一番に備えてあと2日、各自調整を行い、西日本制覇、ABF優勝の栄冠を手にしよう。」