試合結果詳細

ついに開幕したABF。第一試合のアカシア対文男Xvideosの一戦は、この一大イベントの開幕戦にふさわしい痺れるような投手戦となった。

先攻はアカシア。予想通り文男の先発は左腕鬼丸。これまで幾度となく対戦してきた好投手からいかに点を奪うか。いがもち兄弟に重原という強打者、そして鬼丸を得意とするカズ山本、西をスタメンに並べ鬼丸攻略に望む。

先頭の岡部泰三はその鍛え上げた体から体がちぎれんばかりの高速スイングを繰り出すものの、以前軟式球への戸惑いを拭えず投手ゴロに倒れてしまう。続く岡部Jrがショートのミスを誘う形で出塁するも、続く絶好調男村田、４番平石が続くことが出来ず、あっさりと攻撃を終えてしまう。
この日のために走り込みなどのトレーニングを重ね、人一倍気合の入った鬼丸のストレートはコーナーにきまり、伝家の宝刀であるカーブはキレっキレ。アカシアに一抹の不安がよぎる。

続く文男の攻撃。アカシアの先発は藤田。大方の予想は平石か岡部兄であったため、文男は戸惑いを見せる。アカシア村田監督の奇襲成功といったところであろうか。一度だけ文男戦でリリーフ登板のある藤田。その際は全く文男を寄せ付けない投球を見せている。今日も文男打線を手玉に取るのか－

颯爽とマウンドに上がった藤田は、まず先頭の文男監督兼オーナー兼選手であるYUKIを空振り三振に切って取る。続くエルステルン岡くん、そして３番に座った文男の野球エリート超絶イケメン強打者、BEATをも空振り三振に押さえ込む。飄々と投げて三者三振。藤田はこの回全く敵を寄せ付けない。浅野忠信に似ていてなんかかっこいいし、野球うまいし、医学部だし、オデッセイ持ってるし、ちょっと天然だし、まったく非の打ち所が無い男である。もう抱かれてもいい。

勢いに乗りたいアカシアは２回表、先頭の西がレフトにファールフライを豪快に放ち、鬼丸との相性の良さを見せると、二死後に打席がまわるは「鬼丸専用機」カズ山本。この男に何度も痛い目を見せられている鬼丸はひどく苦手意識をもっているのである。
これが相性というものなのだろうか、カズは難なく鬼丸の球をライト前に運ぶ。今日も鬼丸専用機が突破口をひらいた！
が、後続が続かず無得点。しかし西、カズが並ぶ打線に大きな期待感が生まれる。

その裏の文男の攻撃。先頭は文男の「力」担当、戸田犬。粘った末にバットを振り抜くと、三塁線を抜く火の出るようなツーベースを放つ。まさに恐怖の打者、侍、三島由紀夫である。続くは文男の「技」担当小坂元。チャンスにめっぽう強いこの男が、なんかかっこいいフォームから鋭い打球を繰り出す。　鮮やかな力と技の融合で、文男が先制点をもぎ取った。　　アカシアナインが軽く落ち込むのも束の間、マウンド上の藤田がくるりと反転、ショート岡部も絶妙のタイミングでベースカバーに入り、２塁牽制で小坂元を殺す。冷静な判断、素早い反転、正確な送球。藤田は本当にかっこいい。もう抱かれてもいい。
後続を難なく抑えた藤田。なんとか反撃したいアカシアである。

重原、岡部兄弟という期待感のある打順も、三者凡退に倒れ３回の表もアカシアは無得点。短所である淡白な攻撃が出始めてしまう。

３回裏の藤田も負けじと三者凡退無得点。かっこいい。

４回表、先頭の「状態のすこぶる良い」キャプテン村田が状態を象徴するようなクリーンヒットを放ち出塁。そして盗塁王ダービー独走となる盗塁を決める。しかし、平石はカーブに当てることができず三振、西もいい感じで打つもレフトフライに倒れ、片岡は糞みたいな投ゴロ。キレっキレの鬼丸には状態の良い村田しか通用しないのか・・・

４回裏も藤田はカッコ良い。先ほどのお返しと言わんばかりに戸田犬、小坂元を連続三振に切って取る。やられたままでは終わらない。この男、どこまですごいのだろうか。最近少し老けてきたような気もするが、それもまた渋くてかっこいいという声多数。

５回のアカシアの攻撃。先頭は専用機カズ。専用機らしく、ヒットは打てずとも相手のエラーを誘い出塁する。松林重原が凡退するも、打席には岡部泰三。アカシアいちの強打者に期待がかかる。しかし、あえなく三振。この男が軟式球に対応する日は来るのだろうか。

藤田あぶなげない投球かっこいい。

６回のアカシア。1死で村田が四球を選ぶと、つづく平石が三遊間を破るクリーンヒット。西も内野安打で続く。終末の悪魔アカシアがついに鬼丸を捉えるか－
片岡がなんか守備妨害してツーアウト。しかし続くは専用機としてお馴染みのカズ。いい感じで粘り、いい感じで放った打球がライトへ。しかし無情にも打球はSHOWのグラブへ。

鬼丸から点を奪えないアカシア。守備を良い形で終わらせ、最終回の攻撃につなげたい。
先頭のえだ豆を赤子の手をひねるがごとく三振に切って取る藤田。つづく岡のファールフライをいがもっちが見事な身のこなしでキャッチしツーアウト。迎えるは強打者BEAT。
BEATの放った打球は一二塁間への強烈なライナー。これをファースト平石が横っ飛びするもキャッチしそこね、懸命にこぼれたボールを拾うも、TAICHIが変な方向からベースカバーに来ていてなんか息が合わず内野安打を許してしまう。そしてバッターは戸田犬。絶対に追加店は許したくないこの場面で、藤田は狂犬をサードゴロに押さえ込む。いがもちが難なくさばいて、チェンジ。

最終回、アカシアの攻撃。優勝へ文男戦を大一番と位置づけたアカシアにとって、勝利へ最後のチャンスである。天才浅野三振のあと、重原が四球を選び出塁。つづく岡部兄は皆の期待を背負いフルスイングも高々とファールフライ。万事休すかと思われたが、いがもちがここで技を見せ付け、ライト前ヒット。兄が打てなければ弟が打つ。本当にたよりになる兄弟である。
続くは、絶好調男、若武者村田。依然切れっきれの鬼丸に対し、バットを振り抜くも最高のコースに決まったストレートに押され、ファーストフライ。今度こそ万事休す。


ABFの優勝候補筆頭のアカシアは戦いなれた文男戦、そして対鬼丸の一戦を藤田の好投も虚しく落としてしまった。しかし、チームの名が付いた大会での晴れの優勝へ、アカシアナインは諦めない。