試合結果詳細

坂の上のキャンプ場にももうすぐ冬が来る。
アカシア幼稚園の子供たちは隔週でキャンプ場に併設されている総合公園で、運動やレクチャーをして遊ぶ。普段は、子供たちの登園、下園に合わせて団地や街を走り回っているが、総合公園で遊ぶ日は、月曜日で時間も決まっているためその時間に合わせてバスを幼稚園と運動公園につける。もちろん面倒くさい出勤に変わりないし、朝から夕方までの中途半端な時間を上手く使うような生き方はこれまでしてこなかったから、空き時間はただ足元のしけもくと頭上の雲を眺めるだけだ。
そんな私の詰まらない日常のインターホンをpushしたのがアカシアールスターズだ。特に文男ｘvisosとの伝統の一戦は、いつしか私の生きがいになっていた。幼稚園児をバスで送迎した後、私たちは球場へ急いだ。
私“たち”？！ひまわり組のTAICHI君が内緒で試合についてきたのだ。先生にばれたら大変！でもこれには理由がある、この試合はアカシアオールスターズ今期最終戦だ！！！！
やってはいけない事をしているという背徳感で私の胸はバルーンのように膨らむ。バルーンが弾けたらそれはプレイボールの合図だ。

アカシアオールスターズ先発は京都大学の梅毒ンニ君こと近藤。投球回数を規定にのせるためにかゆいのを我慢して帰省。しかも条件を満たせば、アカシア史上初の０点台での最優秀防御率のタイトルを獲得する可能性もある大事なマウンドだ。
試合前、セカンドの守備位置についたＴＡＩＣＨＩ選手が、防御率を抜かれたくない焦りからか『きえええええええええええええええぃぃ！！』と奇声をあげ発狂。これに呼応したライトオカケンやセンターＹＵＫＩも続けて奇声を発し、白昼の八本松がさながらジュラシックパークに。アカシアは試合前から文男をひるませることに成功。
初回、近藤は仁多のエラーと小坂本への四球で一三塁とピンチを迎えるも、小坂本の飛び出しを見逃さず牽制死で無失点に切り抜ける。
文男の先発は５本柱の一人ジャクソン、制球されたピッチングにアカシアは攻めあぐねる。

３回表、氷川キヨシの末裔ＳＨＯW に死球を与えると、『強い』という単純な言葉で警戒された４番小坂本が案の定強さを見せつけセンターへのタイムリーツーベースを放ち、文男にいつものパターンで先制されてしまう。続く５番鬼丸にもレフトへのヒットを打たれるが、すっかり守備専となった野球が好返球でホームでタッチアウト。守備でリズムを作るとその裏、３番岡ジェイが四球の後盗塁を決めると、４番カズ山本がライトへのタイムリースリーベースを放ちすぐに追い付く。

４回裏、四球で出塁した大倉に、かねてから大倉は馬鹿だと聞いていた一塁手鬼丸が「今ツースリーかぁ（実際はワンスリー）。」とぼやくと、これをなんの疑問も持たず信じきった大倉はチーム最重量の体で盗塁を敢行し、二塁ベース前で尻もちをつくも相手の送球がそれ奇跡の盗塁を成功させる。

５回裏、先頭のＹＵＫIが死球を受けると、これに激昂したアカシアナインは全員がベンチを飛び出しＹＵＫIの元へ駆けより１塁まで連れそうようにして向かうと、あら不思議。人混みの中から出てきた一塁ランナーはなんとＹＵＫＩでなく村田！！真剣な試合の中にもユーモアを取り入れ格の違いを見せつける。
塁に出るとＹＵＫＩはすかさず２盗３盗を決め、３番岡ジェイの首位打者を決定づけるセンター前ヒットで逆転に成功、５番村田のエラー出塁の間にもう１点追加し、アカシアがリードを広げる。

その後、マウンドに上がった戸田犬の剛速球の前に打線は沈黙するも、ＴＡＩＣＨＩが３回を併殺二つという安定の守備陣に助けられ無失点。
０点台投手二人の黄金リレーで文男打線を封じ、アカシアが今期最終戦を勝利で締めくくった。

以上で今季の試合はすべて終了しました。
皆様応援ありがとうございました！！
試合後の契約更改についてはまた後日！！



【6回1失点の好投で勝利投手となった近藤選手の談話】
「契約更改第一！
ウィッスッ！

ヨーでるヨーでるヨーでるヨーでる
ランナーでるけん負けれんけん
ローイレローイレ得点ローイレ
先制大事！

対文男　負けれん　投手戦
ウォッチッチ!!
カイカイキイキイ
クイクイケイケイ
来い　来い　年棒
ウォッチッチ!!

今日は夜から帰省した
広島に用事はないのに
どうして　おれは帰省した？
どうして　わざわざ帰省した?!
ドォワッハッハー！
アカシアのためなのね
そうなのね
ウォッチ！今年の年棒いくら？
(提示された額を見て)一大事！！！！
ウィッスッ！(アップの方よろしくお願いします。)」


【4番起用に応える同点タイムリースリーベースヒットを放った文男キラー・カズ山本選手の談話】
「前回の文男戦から4番をまかされ、まだ当たりがでていなかったので打てて良かったです。特に近藤が梅毒なのにすごいがんばってたので打ってあげたいと思ってました。梅毒は梅毒トレポネーマが原因となるSTDで、病期として第4期まであり最悪死に至る病です。皮膚にバラ疹という発疹ができたら第2期で様々な症状がでてしまいます。第1.2期は感染力が強いので気をつけましょう。
おっと失礼。知識が出てしまいました。
そんな大変な近藤の笑ってる顔を僕は見ていたい。そのためにもこれからも死にものぐるいでがんばりたいです。」


【緊急帰国するも時差ぼけでノーヒットに終わった仁多選手の談話】
「船での帰国は、僕に予想以上にハードな試合を強いることになった。守備でもバッティングでも、向かってくるボールが全て揺れて見えるんだから。打った後も、どっちへ向かって走ればいいか分からなかったほどさ。文化の違いを痛感させられる試合だったね。」


【監督の談話】
「いやぁ〜、会心のゲームだったね！(久々の監督スマイル) 文男を相手に接戦をものにできるとはあまり予想していなかったが、近藤なら文男相手に失点を限りなく抑えてくれるとは分かっていた。なぜかって？私が10試合ほど文男と対戦してきて見つけた弱点がある。ズバリ、文男は初物に弱い。ABFの藤田、今日の近藤に対して文男は強い小坂本以外は初物に全く対応できないのだ。近藤は京都から緊急招集した目玉選手だが、まだまだアカシアには全国各地に大物が息を潜めて登板に備えている。彼らは私が声をかければ無条件でいつでも広島に帰還してくるということを文男は分かっていないようだ。次回のABFも控えている。文男は何か対策を講じなければ今後勝敗が逆転することもあり得るだろう。
試合を振り返れば、近藤-TAICHIのWエースリレーはなかなかお目にかかれないとても贅沢なものだった。そして近藤の頭脳を駆使した継投のタイミング。見たことないほど防御率の計算が早かった。さすが京大からロッテにドラフト2位指名を受けた(人に研究室で会ってめっちゃ嫌な態度をとられながら一緒に写真を撮ってもらった)だけあるなと思ったよ。私から継投を指示しなかったのは初めて。アカシアの強みはこの頭脳でもある。今後もデータ・偏差値を駆使したSSH野球で全国を席巻していきたいものだ。
さて、これで今季は終了。思い返せばチームにとっては西日本を制し、全国を制し、そして国際大会を制するという今後語り継がれるであろう伝説のシーズンとなった。これも全国各地のアカシアオールスターズの選手全員の力だと思っている。本当にいい1年を過ごさせてもらったよ。
しかし来季はアカシアにとって大きな変革の一年となるかもしれない。誰がどこでどのような生活をしていようとも、自分がアカシアオールスターズの一員だということに誇りを持ち、集合がかかればいつでも活躍できるよう準備しておいてほしい。
選手の皆様、ファンの皆様、一年間ご声援ありがとうございます！早いものでアカシアは来季4年目のシーズンを迎えます。どんな激務があってもアカシアを盛り上げる魂は失わずにい続けることを誓います。これからも応援よろしくお願いします！」