試合結果詳細

球春到来を告げるかのような暖かな陽気に包まれ、お馴染みとなった竜王公園でかず率いるインプランツと対外試合が行われた。アカシアはYUKI、野球の復帰、片岡、重原の参戦に加えて、すずとレオ倉の彼女のもこちゃんがマネージャーとして参加し、戦力的には断然有利の中、試合が始まる。

アカシアの先発は今シーズン絶好調のオカケン。グラウンドに着いて早々ランニング、キャッチボールをする気合いの入りっぷりで、今日の登板もスーパーオカケンタイムが期待される…はずだった。

1回表、マウンドに上がったオカケンは立ち上がりから制球に苦しみ、3四球でノーアウト満塁にすると、打席にはなんか知らんけどインプランツの先発になっとった4番鬼丸。前進守備の間を抜けるヒットで1点を失うと、その後も四球や暴投などでこの回なんと5失点。圧勝かと思われていたアカシアナインに暗雲が立ち込める。

その裏のアカシアの攻撃。打席には今シーズン初出場で1番に座った野球。フルカウントから三遊間に落ちるツーベースで出塁すると、攻撃的2番の重原が四球、続く片岡のタイムリーで1点を返す。このあと暴投で1点を加えるが、後続の西、YUKI、村田が三者連続三振に斬ってとられ、チャンスを活かせない。
しかし2回3回とオカケンは徐々に本来のピッチングを取り戻し、ランナーを出すものの粘りのピッチングで0に抑え、味方の反撃を待つ。

3回裏、重原が右中間を鋭く破るツーベースでチャンスメイクすると、エラーの間に1点が入り、なおもチャンスでYUKIがレフト線へのこれまた鋭いライナーを放ちついに1点差とする。さらに2つの四球でツーアウト満塁とすると、ここで打席にはBDのくせに神聖な球場に女を連れ込んできたレオ倉。しかしレオ倉は自分がBDだと言うことを忘れ、ただだたもこちゃんに良いとこを魅せたい一心。対する鬼丸も「絶対打たせませんよ!!(オニマルスマイル)」と意気込む。誰もが息を飲む中、鬼丸が投じた初球はなんとレオ倉の足元に一直線。レオ倉必死のジャンプも虚しく、ボールはスパイクに激突。これには試合中は滅多に笑顔を見せない寡黙なアカシアナイン(大嘘)も大爆笑。レオ倉の複雑な心境とは裏腹に、試合はついに振り出しに戻る。

アカシアは4回、オカケンの内野安打、重原の死球で12塁にすると、続く片岡のファーストゴロの間に2塁からオカケンが一気にホームイン。自らに勝利投手の権利を与える見事な走塁で、アカシアがこの試合初めてリードをつくる。
5回に代わった片岡が捕まり、あっさりオカケンの勝ち星を消したものの、その裏相手のエラーなどで勝ち越しに成功。意外にシーソーゲームな展開に。
ところが、6回のインプランツの攻撃が終わった時点でふと時計を見ると、11時48分(グラウンドは12時まで)、グラウンド整備もあるし、外には次のチームの姿が。しかし、当初の予定通りレオ倉をクローザーにしたかったBD二人は、ここで試合を巻きで行うことを決定。これが高速試合の始まりである。

6回裏、急いで守備につくインプランツのピッチャーはかず。アカシアも3番から始まる好打順で普通にゆっくり見たい対決だったが、なんせ高速試合、圧倒的早打ち指令の下に早々と三者凡退。ここからさらに試合は加速する。
7回のマウンドにはもちろんレオ倉。そしてもちろん投球練習はない。相手バッターも急がなきゃと言う使命感からか、なんかビデオで高速再生したみたいに体やバットを小刻みに振りだす始末。みんな笑っとって、西が罵声を浴びせられたり何だかんだあったけど、どうにか試合は終了。急いで整備して帰ったとさ。




【（オカケンの勝ちを消して）勝利投手＆3打点の片岡選手の談話】
「３打点に関しては、自分より前の打者がチャンスで回してくれたお陰です。チャンスで結果を残せて良かったです！勝ち投手に関しては、寧ろオカケンの勝利の権利を消してしまった事に反省ですが、なんとか粘りの投球ができて良かったです！」


【初先発で勝ち投手を逃すも9奪三振と力投したオカケン選手の談話】
「初回、フォアボールから失点し、粘れなかったことが悔しいです。収穫としては二回から修正できたことと、先発として最低限の役割である四回まで投げたことです。
三振は取りましたが、９人で守ることも意識したいです。
この試合を自分の成長につなげて、次はもっといいピッチングで勝利に貢献したいと思います！」


【(彼女の前で)アカシア初セーブをあげた大倉選手の談話】
「アカシアとしては初の、私の野球人生ではKANURAパラディン時代の俺について来い戦で記録して以来405日ぶりのセーブ、長かったです。このウイニングボールを手にするまでの405日間は、本当にいろんなことがありました。大学院の入試と合格、西日本シリーズの再開、ABF、兵庫への移籍。そして人生の挫折、大学院休学と広島への帰還。もう何もかもがダメで約15キロ太りました。ファーストしか守れなくなってしまった身体、野球を辞めようかと本気で考えたこともありましたし。そんな人生で一番苦しい時に彼女と出会って、痩せようと決意し、今日彼女の前でセーブを挙げることができました。高速試合の設定で息ひとつ乱れなかったのは、11月に80キロあった体重を66キロ(試合前日夜)まで落としたからですよ。この身体でこれからも『守るべきもの』を守っていきますよ。当面の目標は俺について来いといえるようになることですね。」


【インプランツを率いたカズ山本監督の談話】
「今回は久しぶりのインプランツの試合で野球部勢がいない状況だったので不安だらけでしたが、楽しい試合となってよかったです！アカシアのみなさん、そして助っ人としてインプランツに参加してくれた鬼丸ほんとうにありがとうございました！
キャッチャーフライをマスクではなくグローブをはずして素手で取りにいくなど素人感満載の守備でしたが、ミスをカバーしあう意識で楽しくできたと思います。試合後公園で4時間守備練習するなど意識も高くなってきているので少しずつみんなで上達して、アカシアに勝つことを目標にやっていきたいと思います。
重ねながら楽しい試合をありがとうございました！」


【監督の談話】
「まずは素直に5点差をはね返しての対外試合3連勝を喜びたい。勝つことのみが目的のチームではないが、やはりみんなの力を合わせて勝ち取る勝利の味は格別だ。

立ち上がりはどうなることかと思ったよ。初先発のオカケンは監督からの先発を伝える個人的なラインに燃えたか外野で黙々とランニングし怒涛の投げ込みを敢行するなど気合いは十分伝わった。ただマウンドに上がると球が上ずり四球でランナーをためタイムリーと暴投で返されるという初々しさの残る立ち上がりだったね。しかし捕手の好リードで中盤以降変化球でカウントを稼ぎストレートで空振りをとるという組み立てに変えてからというものの気付けば4回9奪三振。”アカシアのドクターK”を襲名してしまうかもしれないね。なんと言ってっも彼の最大の魅力は伸び代。次回登板ではまた成長した姿を見せてほしいよ。

打線では恒例・監督の前日ラインでの指示通り各選手が三振をとられぬようなんとか前に転がすバッティングをしてくれたことが好投手鬼丸からの二桁得点に繋がったのは間違いない。監督からの長文の要点を速やかに理解し即実行。これぞアカシア高偏差値戦術、SSH野球の真髄だ。

打者に目を向けると”アカシアの掃除屋”こと片岡が打席に立つ度に打点を稼いでくれてじわじわ追い上げることができたし、何より3回の同点のシーン。坪内がツーアウトから厳しい球をカットし続け最後もギリギリのボールを見極め達成感に満ち溢れた四球で出てくれたのは彼の社会人の粘り強さを見せてもらったね。根負けした大学生・鬼丸が次打者大倉に初球で死球をぶつけたのには試合中なのに笑っちゃったよ。アカシア処女の彼女が観戦に駆け付けた直後の打席で2死満塁、一打同点の場面であの結末なのだから。これは社会人でも学生でもない彼にしかできないエンターテイメントだね。

文男がアカシアを怖れて試合から逃げているという噂を聞いている。我々の次なる相手はインプランツなのではないか。個人的にも歯科衛生士の母を持ち虫歯予防デーにこの世に生を受けた生粋の歯少年である私にとってもインプランツとの対戦は歯茎がうずく。来週の対戦ではインプラントしたいのに歯が立たない相手だと思わせる試合をしたいね。」