試合結果詳細

先週の雨天中止を受けて急遽ダブルヘッダーとなったチキンズ戦。
チキンズはSPAランキング24位の強豪である。

体力に余裕のある一試合目は金星を狙いに行った。
ブレイカーズは後攻。

1回裏、相手先発のコントロールが定まらず、四死球や暴投などで走者を溜めると、4番福嶋がセンターへフライを放ち、三塁走者の佐伯がタッチアップから生還し先制。

先発の野田は1回こそ無難に切り抜けたものの、その後制球に苦しみ四球で走者を溜めてしまう。
3回表、テキサスヒットや失策が絡み2点を失い逆転を許すが、球自体に勢いがあり、外野に打球が飛ぶことはほとんどなかった。

打線は3回裏、先頭の佐伯がセンター前ヒットで出塁すると制球に苦しむ相手投手からねばり強く四球を選んだり、積極的に盗塁を決めて逆転に成功。

守りの見せ場は5回表。
二つの四球とレフト前ヒットで一死満塁の大ピンチ。
ここで野田は6番打者を投ゴロに仕留めて本塁フォースアウト。
続く7番打者をフルカウントから外角低めに落ちるスライダーで空振り三振に討ち取って無失点で切り抜けた。

6回表、先頭の2番木村が出塁するとすかさず二盗を決める。
ここで3番鈴木がセンター前に運んで木村が二塁から一気に生還。
2点差となり、勝負あったかと思われた。

しかしチキンズは7回表、7番打者のレフトオーバーのランニング本塁打で2点を返し同点。まさかの事態にベンチは声を失った。
逆にチキンズベンチは大いに沸いた。

その裏、先頭の岩城が三塁手の送球エラーで二塁まで進塁。
ここで代走役田が送られた。一打サヨナラの場面。

迎えるバッターは9番益田。
「試合前に（鈴木）大佑からミートポイントをもう少し後ろにと指導を受け、引きつけて打とうと決めていた」
真ん中やや高めの甘いボールを捉えると強い打球がセンターの頭を越えた。
が・・・捕球されたリスクも考えて役田は三塁ストップ。

ここで10番魚住。「魚住さん、スクイズわかります？」メンバーが声をかける。「？？」魚住から芳しい反応は得られなかったため、ノーサインで全てを託す。

魚住はここまで2三振。だが当たれば何かが起きるかもしれない。
無死一、三塁。相手は当然前進守備を敷く。

相手投手が投げる、魚住がバットを振る、・・・と打球がコロコロと一塁線を転がる。いい具合に打球が死んでいる。三塁走者役田は当然スタートを切る。一塁手が懸命に捕球し、本塁へ送球する。
いい送球だ。クロスプレーになる。役田は足からスライディング・・・・

タッチは？？？

と、その時コロコロと捕手の横からボールが転がるのが見えた。

球審の脇野は叫んだ。

「セーフ！」

今季初のサヨナラ勝ちの瞬間であった。

この試合は失策も少なく、野田もねばり強く投げ、鈴木も良くリードした。
魚住も見事な実質スクイズを決めてくれた。

格上相手に勝利したベンチは大いに沸いた。

野田は見事な完投で今季2勝目をあげた。
チームのサヨナラ勝ちは通算3つめ。