試合結果詳細

2019年に大敗した相手と再戦。前回完全に抑えられていただけに、ジャンガとしてはまずは守備からリズムを作りたかったが、最初の守備機会はごとうがサードゴロを軽快に捕球。ファーストすずきへストライク送球を見せ、いいムードで試合に入ることができた。ごとうの華麗な守備を見たナインは、前回失いかけた守備での自信を取り戻し、「エラーをしなければ俺たちは勝てる」を今日のスローガンに掲げた。
対して裏の攻撃。対戦投手は120キロは超えるストレートと、キレのいいスライダーを操る本格派右腕。初回、もとち・さいとうも鋭いライナー性の当たりを出すも不幸にも難なく捕球される。相手の守備が堅いことも見せつけられ、1点が勝敗を分ける、締まった試合になることを確信。
この日先発のかなむらは四死球を出すものの要所では内野ゴロや外野フライに抑え、無失点で2番手に繋ぐ。今日のジャンガは守備が堅く、ノーエラーでアウトを積み重ね、サードごとうの頭上を超えたフライにも、ごとうが大きな声で「ライト」と捕球を指示。ジャンガナイン「！？」、相手ベンチ「！？」、ライトますや「俺！？」となんとも言えない空気が流れるも、レフトもとちは「レフトの定位置から一歩も動かなかった打球だった」ときっちり捕球。
このプレーが相手を惑わしたのか、相手ピッチャーが少しだけ崩れて4連続四球で1点を先制したジャンガ。しかし、実はそのプレーでピッチャーすがわとキャッチャーかわぐちも惑わされていて、その後四球と暴投で1点を与えてしまう。しかし、それぞれ1点を失った以降はそれぞれ立ち直り、ほぼノーミスで0行進が続く。草野球で一般的な規定回とされる７回が終了し、1対1とジャンガらしからぬスコアで８回へ。
８回裏。1アウト1塁でさいとうがライト線にクリーンヒットを打ち1アウト1塁3塁となって迎えるバッターは4番かなむら。内野ゴロ、または外野フライで1点が入る大チャンスだったが、絶好調の男は初球から難なくセンターへボールを運び、これが犠牲フライとなり1点獲得。3塁ランナーだったふちせは生還後ベンチにて「ヒットになると思ってすぐスタート切ったがなんとなく嫌な予感がして、急いで戻ってタッチアップに備えておいて良かった。今日は運がよくて、思った通りに事が運ぶ。今痛めた足で守るのはなんとなく嫌な予感がするから９回の守備はごとうに代わってもらう」とコメントしていた。
９回表。2対1と、このままリードを守り切れるのか。しかし、そう簡単に勝たせてくれない。内野ゴロに打ち取るもの送球捕球ミスがあったり、四球や暴投もあり、残念ながら1点を献上し2対2に。その後なんとか2アウトまできたが、満塁で強打者の4番を迎えたこの場面。ロングリリーフふくだが投じた渾身の投球は、内野に高々と上がる完全な打ち損じた打球に。ピッチャーフライかサードフライでチェンジ。ふくだが先程ライトを守っていた際にセカンド後方のフライをセカンドと交錯しながら捕球した際に、「フライはどっちが取るのか早く声かけしないとダメだ」と意識を統一していたため、ナインは「サード！」と声かけ、これでチェンジだと確信する。が、サードごとう「俺！？」。不幸にも急いで落下点に入ろうとするもボールはグラブを弾いて転々とフェアゾーンを転がり、ランナーが激走してきて次々とホームイン。ショックでグランドに平伏していたごとうが立ち上がったとき、スコアボードには4点の文字。2対5。ナインは目の前が真っ暗になり、あと一歩のところで敗北。
試合終了後、「俺のせいで3点。1点だったらまだしも3点とは。今日はショックで寝れない」と落ち込むごとうに、実はあのあと転々と転がすボールを拾ったキャッチャーと3塁カバーに入ったショートとでランダウンの送球捕球エラーをしていてそのせいで2点が余計に入った事実を教えてあげていたことについて、「最後はこれぞ草野球と言ったジャンガらしいエラーが出た。やっぱり俺らは上手くない。もっと練習がいるね。ごとうには今日もゆっくり寝て欲しい」とキャプテンすずきは温かい目でチームを見守っていた。