試合結果詳細

＜ブレーブス新聞第171号　担当：石渕＞

＜西暦2034年＞
私は今　充実しているのか、、、

世間では私をリア充（リアジュウ）と
呼んでいるみたいだ、、、

私の傍ら（かたわら）には、あの時の
ブレーブス合コンで太田さんから奪い取った
かわいい妻がいる。

そして私の回りを走り回っている愛くるしい
ワンワンは鈴木さんから150万で譲って頂いた。

この世田谷に7ＬＬＤＫの3階立て新築一軒家
を手にした。

今、リビングでイタリア製のソファーで
くつろぎながら、、
昔は飲めなかった、白ワインを口にし、
なぜ私が、、

いや僕が、、、

ここまで成り上がる事ができたのか、
回想している。

僕のターニングポイントはいつだったか、、、

＜2023年10月1日＞
あの日僕は上位打線を任され、結果を残した。
1試合は勝ったが、2試合目は敗退した。
自分が活躍しても、負ける事はある。
ただ、、、

～一生懸命、チームメイトがプレーしている
姿に心の底から感銘を受けた日となった～

勝ち負けは関係なかった。。。

そうだ、、僕はその時から変わったのだ、、、

次の試合からは、試合中、余計な事を口にせず
準備を徹底し、味方を鼓舞し、対戦相手を尊重
した。
チームでも一番、声を出した。
～何かを信じた～

2023年はタイトルを1つしか取れなかったが、
その後、心・技・体を改めた（あらためた）
僕には結果がついてきた、、、

2024年はクリーンアップを任され、
打率407　本塁打3本　28打点　18盗塁
と個人タイトルを多数獲得。

2025年は岩渕さん超えを果たす、、
念願だったオヤジーズ戦の
4番を任され、そのまま4番は僕の定位置
となった。

野球が充実すると、なぜか私生活も充実した。
今まで会社を転々としてきたが、
自ら（みずから）会社を立ち上げ、
時代の波にも乗り、年商27億の会社を
作り上げた。

人生の快進撃は止まらない。

その後は皆さんがおわかりのように
毎年ブレーブスのタイトルは全て僕が
手中に納めた。

佐藤さん、笠原さんとは毎月1度は飲みに
行っている。もちろん僕のおごりだ。

福田さんには昔、仕事で何度もお世話になった。
今は福田さんの会社も引き継ぎ、僕の会社の
系列子会社とさせてもらった。

小澤さん、石井さんにも散々おごってもらったが
今は野球が終り、飲みに行く時は全て僕が
飲食代を払っている。全て借りは返した。

宮さん、セルジ、和田さんは僕の会社に転職した。
宮さん、セルジは取締役員として、
和田さんは平社員として
僕以上に会社の成長の為に働いてもらっている。

杉山さんは僕の野球の相棒だ。
今は杉ちゃんと呼べるようになった。
一昨年から4番ピッチャーとして活躍している
僕を一番理解してくれている。
良く杉山さんに
「お前、運送会社にいた時とだいぶ
　変わったな！！！」
と冗談まじりに談笑している。
サシでもよく飲みに行くようになった。


ロマネ・コンティを飲み干し、
窓辺に写る、月明かりを眺めながら、
つぶやく。

「ありがとうブレーブス」

かわいい妻、かわいいワンワン
そして有り余る金。
買いたかった物は全て買った。
ただ心はなぜか充実してなかった。。
これが昔、金持ちが言っていた
虚無感（きょむかん）なのか、、、

こんな時、僕は昔を回想し
チームメイトへの感謝を忘れないよう
心に刻んでいる。

明日から仕事だ。
そして来週も4番ピッチャーとしての
試合が待っている。

楽しい時を過ごすのは今だけだと
誓い僕は挑戦し続ける。

改めて言いたい、、、
何も怯える事はない、
絶望は希望に変わる、、
ありがとう
ブレーブス