試合結果詳細

5年間の集大成を―――

引退宣言から1か月、ついにこの日がやってきてしまった。


竹内大喜の引退試合となった今シーズン17試合目。
KBCは必勝を期して、チーム一丸となって臨んだ。

1番ライトで竹内は先発出場、その第1打席。
持ち前の積極的な打撃で初球からスイングしていくが、サードゴロに倒れる。
2番星が四球で出塁すると、久々の実戦となった中村もレフト前にヒットを放ち、一死二三塁のチャンスを作る。
ここで4番坂本がセンターへの犠牲フライを放つと、二死から加藤と安西がタイムリーツーベースを打ち、初回から4点を先制する。

先発の星は肩の痛みの影響から、球速を抑えながらの投球となり、2回と3回に失点するもののなんとか持ちこたえる。

3回裏、KBCは星のツーベースを皮切りに打線が爆発し、打者9人の猛攻で5点を追加する。しかしその直後、2人目の安西がホームランなどで4点を失うと、5回には3人目の鈴木がさらに2点を失い、ついに同点に追いつかれる。

なんとか竹内に勝利を届けたいKBCは6回裏、先頭の安西がセンター前ヒットで出塁すると、相手のミスも絡んで一死二三塁のチャンスを作る。
ここで打席に竹内と同級生の鈴木が入る。
4球目、高めのストレートを捉えた打球は無人の左中間へ。勝ち越しのタイムリーツーベースとなる。続く関口(こちらも同級生)はショートゴロに倒れ、二死三塁の場面で、打席には



背番号51　竹内大喜


現役最終打席。球場はスタンディングオベーションで竹内を迎える。
初球はファール。
2球目、外角に外れ、ボール。

そして、3球目。
外角高めのストレート。
思い切り振りぬいた打球は、ライトへ上がる。ライトが前へ、セカンドが後ろへ追う。

ボールは、



落ちた。

球場が大歓声に包まれる。
KBCベンチが大いに沸く。

竹内大喜、現役最後の打席はライト前ヒットだった。




3点リードで迎えた最終回、関口の計らいでマウンドには竹内が上がった。
簡単にツーアウトを取る。「涙で前が見えない」と笑いながら四球を1つ出して二死一塁。

ここで3番を迎える。初球ストライク、2球目ボールからの3球目。打球はサード後方にあがり、安西がつかんで試合が終わった。


背番号51・竹内大喜、KBCでの5年間に終止符をうった。



試合後談話

―今日の試合は特別だった？
竹内「そうですね」
―打席にはどういう気持ちで入った？
竹内「気まずいわ」
―最後に胴上げをされましたが？
竹内「昇天しました」

同級生のひとこと
・鈴木「今日の1本は一生忘れない」
・小菅「竹内には本当にお世話になった」
・関口「早く飯食い行こう」




本日のエキサイティングプレーヤー

51 竹内 大喜　最終打席でヒットを放ち、投げては初セーブで有終の美