試合結果詳細

グラウンドには魔物がいるー
野球というスポーツの長い歴史の中でこのような言い回しは数えきれないほど使われてきた。特に高校野球においてはその注目度も高く、また大人と子供の狭間で心もまだ未熟と言わざるを得ない選手たちが、甲子園という大舞台でこれまで経験したことのない状況下の中、懸命にプレーすることから予想だにしない結果を生むことで多分に用いられてきた。
そのありきたりな表現を使うとするならば、
昨日の「西宇治公園のライトには、魔物がいた」

サブウェイは藤沢、SPECIALITIESはお馴染みのofficial汁男dism先輩が先発。
初回、先頭打者の打球がいきなりライトを襲う。一塁側という理由だけでこの日も自ら志願し右翼の守備についた沼田は、大学時代に監督北村から大会で受賞したMVP賞品であるオークリーを身につけ颯爽と落下地点に入った。おぼつかないグラブがその全てを物語っていたように、白球はグラブを弾きグラウンドを転々と転がっていった。
つられるように次打者のバント処理も藤沢が三塁へ悪送球し、ピンチを拡げられ、主軸のタイムリーなどで一挙4失点となんとも不穏な立ち上がりとなった。
反撃したいサブウェイはその裏、この日1番に入った沼田が汚名返上とばかりに打席へ。フルスイングの結果は白球を潰すベイブレード打法となり汁男の手元を狂わせるヒットとなった。続く棚田がランエンドヒットからライトへポップフライを飛ばす。あわやダブルプレーも頭によぎったのも束の間、相手右翼手は落下点手前で急ブレーキ。1人お見合いを披露し結果的にチャンスが拡がった。続く彦坂がまたもやライトに安打を放ち、右翼手がまごまごする間に2点を返すことに成功した。
2回からは藤沢がリズムを取り戻す。コースに決まる速球と緩急鋭い変化球で相手打線を翻弄。そう、最初から打たせなければいいのだ。
しかしその後はなかなか追加点が奪えない。相手打線も粘って毎回ランナーを出し、傾こうとしていた試合の流れを最後まで渡さなかった。
後がないサブウェイは5回裏、先頭の星野が相手三塁の悪送球を誘い出塁に成功。続く新加入候補中野くんが痛烈な右中間への2塁打を放ちチャンスメイク。三村が中フライに倒れた後、9番に入っていた大垣がライトへ犠牲フライを放つ。しかしこれも相手右翼手が落球(記録はエラー。打点は付く)。
思わぬ形で追加点をもらい、SPECIALITIESはタマらず投手交代。黄金の継投策をみせ、このピンチをチン火するべく火消しに躍起になっていた。このチャンスに打席には沼田。しかしながら気合が入りすぎたのか、これ以上ないチャンスでまさかのピッチャーフライ。万事休す。
このピンチを救ったのが棚田だ。甘く入ってきたスライダーを一閃すると、打球は左翼線ギリギリを抜ける逆転のタイムリーツーベースを放つ。この日の棚田は全力疾走に盤石の守備と、チームを鼓舞する姿が印象的だった。
その後も満塁まで攻め立てるも追加点は奪えれず、1点リードで最終回の守備へ。
一死後、初回のデジャブのような打球が沼田を襲う。まさか。まさか。いやそのまさか。全く同じ場所、同じ打球、同じ角度、同じ落下点の入り方。同じグラブの揺れ。全く同じ落球。
一気に三塁を陥れられ一気に大ピンチへ。いくら裏があると言えど流れが悪すぎる。
抽選をも覚悟する中、藤沢が最後の粘りをみせなんとか守り切り勝利。SPECIALITIESの対サブウェイ初勝利はお預けとなった。

ユニフォームを紛失するというアクシデントから始まった沼田は全く良いところなし。このところ連れていたSARAちゃんの姿も無く、私生活がうまくいっていないことはバレバレ。彼女にも野球の神様にも見放されたか。

この日、右翼だけで両チーム合わせて少なくとも4つのエラーが発生。
間違いない。
「西宇治公園のライトには、魔物がいる」…

…わけもなく。
草野球の魔物はただの下手っぴです。
あ、三村くんお久しぶりです。お帰りなさい。