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公式戦

2019/5/12(日) 9:00〜

港区春季大会決勝

チームロゴMWBBC

勝ち

5-3

三郷グランド38面

チームロゴTOKYO DODGERS
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 R
チームロゴMWBBC 1 0 0 0 0 0 0 1 0 3 5
チームロゴ TOKYO D… 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 3
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本日、TBS TOKYO DODGERSさんと港区二部リーグ春季大会決勝戦を行いました!

M 1 0 0 0 0 0 0 1 0 3 5
T 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 3
※大会規定により、延長10回以降は無死2・3塁からのタイブレーク

【登板】
小野瀬 → 宮本

【勝】
宮本 2勝0敗0S

【本塁打】
原田 3号(8回、ソロ)

【スターティングラインナップ】
1 8 MB MAGNA 原田 直道
2 2 MB MAGNA 米田 伸太郎
3 6 ME ALD 海部 大斗
4 3 ME ALD 金子 慶一
5 5 PART TIMER 宮本 勇磨
6 9 ME PLN 松浦 良高
7 4 MB MAGNA 長谷川 将也
8 1 OCTAGON 小野瀬 辰也
9 7 MB MAGNA 脇田 壮一郎
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
荒川選手の駆るポルシェが三郷の河川敷に進入すると、足元を跳ね回る小石の懐かしい振動が、重心の低いシートを経て下半身に伝わってきた。
今年もまた、野球狂たちが白球を追うこの季節がやってきた。
三郷三十八面は五月の青々とした草を茂らせている。時刻は午前七時四十五分頃。試合開始までには、一時間以上の時間が残されている。
試合前のアップもろくにしないMWBBCのいつものパターンからすると、メンバー全員が揃うのはまだ先になりそうだ。
そう思った番記者は、人気がなく肌寒さすら感じられるグラウンドを、ぼんやりと眺めていた。
だが、今日のMWBBCは一味違っていた。番記者が物思いにふけっているうちに続々とメンバーが到着し、なんと試合の一時間前にはすべての選手が揃ってしまったのだ。
さらには、相手チームのアップが始まる前にダッシュや筋トレなどをこなしはじめる始末。エース・小野瀬選手にいたっては、早々に投球練習を始めてしまう。
メンバーに話を聞くと、原田選手と米田選手は前日バッティングセンターで調整を重ねていたとのこと。
また、小野瀬選手は平日に会社の近くでピッチングフォームの確認を黙々と行う姿が目撃されていた。
他にも脇田選手・飯星選手・長谷川選手が自主的に守備練習を行うなど、各人が今日の試合に向けて万全の体制で準備してきたとのことであった。

小野瀬投手の快速球が唸りを上げて米田捕手のミットに収まってゆくのを横目で見ながら、ベンチ前で吉森監督が慌てている。
「あかんてみんな。うちこういうチームちゃうやん。いつもと違うことやってたらあかんやん」
本来は、風紀が正されたことを喜ぶべきところなのだろう。
複数の選手が前夜の歌舞伎町で消息を絶ち、メンバーが足りずに公式戦不戦敗の大惨事となりかけたFBS戦(https://teams.one/teams/mwbbc/game/243643)や、
練習試合を取り持ったよし選手の仏の顔が遅刻者続出により鬼になったという伝説のランナウェイズB戦(https://teams.one/teams/mwbbc/game/236844)を振り返っても、
MWBBCの致命的な弱点がその風紀の乱れにあることは否定できない。
ただ、限界までガソリンを体内に注入し、粗雑なエネルギーを試合終了まで燃やし続けるというプレースタイルが、多くの名試合を生んできたこともまた事実である。
チームをよく知る吉森監督の懸念が的中してしまうのか、それとも野球人のあるべき姿を取り戻したMWBBCのメンバーたちがその真価を発揮するのか?
港区二部の決勝戦は、一瞬たりとも目の離すことのできない好ゲームとなった。


一回表、MWBBCは最高のかたちで先制点を挙げる。
一番・原田選手はセンターライナーに終わったものの、二番・米田選手がライト前ヒットで出塁すると、三番・海部選手がセンターにツーベースを放つ。
三塁ランナーコーチの安藤選手はストップのサインを出していたようにも見えたが、一塁走者の俊足・米田選手は一気に本塁まで駆け抜け、ホームを踏んだ。
一番から三番まで、全員がストライクを取りに来た初球のストレートを打ち返すという、相手投手の立ち上がりを狙い撃った鮮やかな攻撃で、MWBBCが一点を先制する。
小野瀬投手のピッチングは今日も冴えていた。
一回裏、一死一・二塁とされ、迎えるは四番。バッターが変化球に手を出さず、フルカウントとなった六球目に、内角低めの直球で空振り三振を奪う。
続く五番にはバックドアのスライダーで初球ストライクを取ると、二球目・三球目は同じ外角にストレートを続け、見逃し三振。立ち上がりの難所を切り抜ける。

初回に見事な攻撃を見せ、追加点もすぐに取れると踏んでいたMWBBCであったが、その後は相手投手の縦の変化球に苦しめられ、二回・三回と三者凡退に終わる。
三回裏に同点とされて迎えた四回表、海部選手が一・二塁間を抜くヒットで出塁すると、金子選手が内野安打で続く。
年齢差実に四半世紀の営業師弟コンビの活躍などで一死満塁のチャンスを作ると、迎えるは七番・長谷川選手。
日々のバイイングで紙一重の作業の続くTBSさんを相手に、成長した姿を見せつけたいところであったが、あえなく三振に終わる。
後続の小野瀬選手も倒れ、MWBBCに嫌なムードが漂いはじめる。

五回裏に一点を勝ち越されたMWBBC。吉森監督は流れを変えるべく、早々に手を打つ。
六回裏、サードを守っていた宮本選手をマウンドに投入。
小野瀬投手の右打者の内角に抉り込んでくるようなツーシームとは異なり、
低空領域に決まるきれいなフォーシームとスプリット、スライダーを効果的に織り交ぜ、リリーフエースが相手打線を完全に封殺。
味方の援護を待つ。

五回から七回まではすべて三者凡退に抑え込まれていたMWBBCだったが、八回にようやく光明が差す。
先頭打者で打席に立った脇田選手が放った打球はライト頭上を大きく超えてゆく長打性の当たり。
相手守備陣の機敏な中継プレーに追い立てられながら、盛り上がる三塁側ベンチに向かって懸命に滑り込んでいった脇田選手であったが、判定は三塁タッチアウト。
足が先に入っていたようにも見え、リクエスト制度があれば吉森監督もすぐさま両手でビデオ判定のサインを作るところであったが、判定は覆らなかった。
しかしこのバッティングが味方に大きな勇気を与える。続く原田選手が初球を強打。
「流れが悪かったので思いっきりいこうと。高めに浮く球を狙っていました」と試合後に語ったキャプテン・原田選手の打球は、あっという間にセンター左を破ってゆく。
一糸乱れぬ中継プレーに先ほどのクロスプレーが頭をよぎるものの、三塁を回ってなお加速しつづける原田選手の快足が勝り、値千金の同点ランニングホームランとなった。
こうなると一気呵成に攻め立てるのがMWBBCの持ち味である。
続く米田選手がショート強襲の内野安打で出塁し、二死二塁となった後、吉森マジックが発動。新戦力の飯星選手を打席に送る。
「試合に出る喜び、表現していけ」という有延選手の芸術的な野次が飛ぶなか、バトミントンで鍛えた動体視力を武器に、ストレートを捉えた飯星選手。
三遊間を襲った打球は相手遊撃手が必死に差し出したグラブに捕らえられ、一塁は間一髪アウトとなる。
好プレーにより惜しくも逆転を阻まれたMWBBCであったが、終盤に辛くも追い付き、息を吹き返す。

試合は膠着状態のまま、最終回へ。
宮本選手がセンター前に痛烈なヒットを放ったものの、吉森マジック「代打俺!」が空振り三振に終わり、無得点となったその裏、MWBBCは絶体絶命のピンチを迎える。
一死一・二塁で、迎えるは本日二安打を放っている相手打線の二番打者。
ツーストライクを取ったあと、バッターが苦しまぎれに手を出した打球は鈍い音を残し、ふらふらと嫌な放物線を描いて、ライト前方に上がる。
落下点を目指して後方から懸命に駆けてくる右翼手は、この回から吉森監督にライトを託されていた、有延選手であった。
捕球できないと見た二塁ランナーは、サヨナラのホームを目指してスタートを切る。
有延選手が左腕を伸ばし、グラブを抱きかかえるように前方に一回転すると、近くまで寄っていた塁審の右手が高く上がった。
「アウト!」
ボールはそのままセカンドに転送され、離塁していた二塁ランナーは戻ることができず、ダブルプレー。
有延選手のスーパービッグプレーで、MWBBCはサヨナラの窮地を脱出する。

十回の表。試合は無死二・三塁から開始するタイブレークに入る。
バッターは、先ほど幻のスリーベースを放った脇田選手。疲れの見えはじめた相手投手のボールをしっかりと見定め、四球を獲得。ランナー満塁となる。
一死となったあと、打席に立ったのは米田選手だった。最後の力を振り絞って投げ込んでくる速球を、米田選手も渾身の力でカットしてゆく。
二球ファウルとなった、投球七球目。またもやカットした打球が、米田選手の股間を直撃する。
「僕は高校までキャッチャーをやっていたんですけど、キャッチャーマスクを外したときに、観客の方から騒がれるのが嬉しかったんですよね。(出身の)奈良県で最もイケメンの高校生キャッチャーと言われてました」
試合後、そう言って端正なマスクをほころばせた米田選手は、港区大会でも最もキャッチャーらしからぬキャッチャーと言えるかもしれない。
当然、キャッチャーの急所を防御する必需品であるカップも装着しておらず、自身のスイングスピードが上乗せされた強烈なファウルボールの痛みは、想像を絶するものだったであろう。
何度もジャンプを繰り返し、深呼吸をしたあと、必死の形相で打席に立つ米田選手。その気迫に根負けしたのか、次の投球はストライクゾーンから大きく外れ、値千金の押し出し四球をもぎ取る。
喜びの声が上がる三塁側ベンチを尻目に、次打者の海部選手は一人冷静だった。初球の変化球をファウルしたあとの二球目。
「カーブをファウルにしたので、必ずストレートで来ると思っていました」と試合後に声を弾ませた海部選手の打球は、一・二塁間を鋭く破っていく二点タイムリーヒットとなる。
若い力で決定的な三点を勝ち越したMWBBCは、その裏を宮本投手の素晴らしいピッチングで一失点にとどめ、港区二部リーグ春季大会の優勝を勝ち取った。



MVPには、大会二本塁打の米田選手が選ばれた。
「FBS戦のアレ(記事冒頭のリンク参照)とか、去年まではちょっと身が入っていなかった部分もあったんですけど、
海部選手、脇田選手、宮本選手などの新戦力が加わって、負けてられないなと思うようになって、家が近所の原田選手と努力してきました」
そう語る米田選手の顔は下半身を襲う痛みのためか時おり引きつっていたが、その目は晴れやかだった。

平成から令和をまたぐ大会で無敗を誇り、怒涛の勢いで優勝した吉森MWBBC。
「今日は原田選手のホームランと有延選手のビッグプレーが大きかったですね。あれで流れが変わりました。うちは守備から攻めていけるチームなんで」
永井前監督から巨大戦力を託され、緊張を強いられていた吉森監督の表情は、都大会までのしばしの休息に緩んでいた。
「良い采配ができたと思います」
代打俺!を除き、吉森マジックはいずれも好結果に繋がり、新監督としては見事な結果を出した吉森監督。
それでも最後は「打てへんかったなあ……」と自身の打棒の結果に首を傾げていた。

いまだ公式戦負けなしの吉森MWBBC。伝説はどこまで続くのだろうか。
写真に写った選手たちの笑顔は、既に都大会のその先まで見据えているように、番記者には映った。

# 選手名
9 原田 直道
10 米田 伸太郎
24 海部 大斗
7 金子 慶一
27 田中 教勝
20 飯星 護
19 宮本 勇磨
6 吉森 聡一郎
8 松浦 良高
22 有延 庄平
11 長谷川 将也
1 小野瀬 辰也
34 脇田 壮一郎
# 選手名
# 選手名 出場 打順 守備 打席 打数 安打 打点 得点 盗塁 二塁打 三塁打 得点圏打数 得点圏安打 三振 四球 死球 犠打 犠飛 併殺打 敵失 失策 盗塁阻止
9 原田 直道 先発 1 5 5 1 1 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
10 米田 伸太郎 先発 2 5 4 2 0 1 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0
24 海部 大斗 先発 3 5 5 3 0 3 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
7 金子 慶一 先発 4 3 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
27 田中 教勝 守備 4 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
20 飯星 護 代打 4 - 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
19 宮本 勇磨 先発 5 5 5 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
6 吉森 聡一郎 代打 6 - 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
8 松浦 良高 先発 6 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0
22 有延 庄平 守備 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
11 長谷川 将也 先発 7 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1 小野瀬 辰也 先発 8 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0
34 脇田 壮一郎 先発 9 4 3 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0
# 選手名 出場 打順 守備 打席 打数 安打 打点 得点 盗塁 二塁打 三塁打 得点圏打数 得点圏安打 三振 四球 死球 犠打 犠飛 併殺打 敵失 失策 盗塁阻止

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# 選手名
1 小野瀬 辰也
19 宮本 勇磨
# 選手名
# 選手名 勝敗 投球回 投球数 失点 自責点 完投 完封 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 ボーク 暴投 登板順
1 小野瀬 辰也 - 50/3 0 2 2 - - 5 0 5 2 0 0 0 1
19 宮本 勇磨 50/3 0 1 0 - - 4 0 2 1 0 0 0 2
# 選手名 勝敗 投球回 投球数 失点 自責点 完投 完封 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 ボーク 暴投 登板順

※左右に横スクロールするとさらに細かい情報を見ることができます

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