試合結果詳細

俺の名前は毎田徹。背番号は９番、外野手だ。

今日も車でメンバーを迎えに大宮駅へ向かう。
朝方なのに空はすでに真っ青で気温も高い。
まだ5月中旬なのに春はもうどこか遠くへ行ってしまったようだ。

今の俺は調子がいい。今季は毎試合のヒットで打率は:500。
試合前には必ずバッティングセンターで練習をする。
この姿勢は打てない試合の多いチームメイトにも見習ってほしいものだ。

今日は「ガンバロウ野球大会」の２回戦。
俺の打順は２番ライトだ。今季の成績を考えれば上位を俺が打つのは当然だろう。
気合が入るがあまり、スタメン発表で名前が呼ばれた際は返事の声も裏返ってしまった。

試合が始まった。

初回に四球とエラーで１点を失った１回裏の攻撃だ。
先頭の古賀が粘って四球、無死1塁で打順が回ってきた。

狙いはストレートに絞り、打席もピッチャー寄りに立つ。
そして初球、ストレートが来た。バット一閃。
芯でとらえたようにも感じたが、風もあったのか押し戻されピッチャーへのフライとなった。
調子が良くても今日はツキがないようだ。

こうなると、守備でも調子が狂う。3回の相手の攻撃では3度もライトに打球が飛んできた。
どれも風がなければ追いついていただろう。懸命に打球を追ったが誰にも限界はある。
俺でもさすがにどんな打球でも捕れるわけではない。
結局、この回に３失点を喫して完全相手ペースとなった。

0対5となった後、逆襲のチャンスは5回裏だ。
1死満塁とし、1番古賀のタイムリーで1点を返す。
更に満塁で多々内の打球はセンターへライナー性。抜ければ一気に接戦になったが、惜しくもセンターが追いつきヒットにならず。後続も倒れ結局1得点に終わった。

相手投手の制球力の高いストレートと変化球に終始翻弄され、チーム計10三振。
1対5で試合終了を迎えた。

今後に向けての明るい要素は2つ。
まずは助っ人として初参加の山崎の活躍だ。ショートの守備と豪快な3塁打でチームを盛り上げた。
若い頃の俺に少し似ている。

そしてもう一つは今日参加していた西舘や中野が改めてピッチャーへのモチベーションを見せたことだ。
失敗を恐れずチャレンジし、チームの主軸になってほしいものだ。

次回の試合は6月15日（土）のアークスリーグだ。
ピッチャー松田の不在が決まっているこの試合で明るい話題を期待しよう。

メンバーを駅まで送り、車に一人となった帰り道。他のメンバーは呑気に食事に向かったようだが、俺のハンドルは既にいつものバッティングセンターに向かっている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（それゆけ毎田　5月号　完）