試合結果詳細

昨年優勝のダイヤモンドリーグ戦。
1回戦は敗戦し、1敗で迎えた2戦目。
先発はここ最近、投手としての出場が増えてきた木村正。
左手に昨年まで在籍していた背番号11のエース石渡から譲り受けたグローブを身に付け、ゆっくりとマウンドへ上がっていった。

後攻のスピリッツは1回裏、2アウトから3番桑田がレフト線にミサイルのような打球を放ち、ツーベースで出塁する。
そして続く不動の4番木村正がライト前に貫禄のタイムリーヒットを放ち1点を先制する。
その後同点とされた5回裏、この回先頭の宮本が魂の死球で出塁する。
そして初球に盗塁のサインを迷わず出して宮本もしっかりと決め、更に送球が逸れている間に一気に3塁まで進塁した。
ノーアウト3塁、絶好の逆転チャンスの場面で中澤、松村を迎える形となった。
ここでエンドランが頭を過ったが、ベンチサイドは思いきって二人に任せる采配に出た。
・・・しかし、中澤は空振り三振、松村はサード内野フライに倒れてしまう。
転がすことはできなかった。

一気に流れが悪くなりかけたこの状況を、続くトップバッターの田代拓が一振りで変えた。
初球を捉え、打球は右中間ど真ん中を破る逆転のタイムリーツーベースを放った。
この1点が決勝点となる、まさに試合を決めた一打だった。

先発した木村正は、遂に覚醒を始めた。
初回はいきなり三者三振を奪い、その後もストライク先行の見事なピッチングで三振の山を築いていった。
6回をひとりで投げ抜き、失点1被安打2奪三振6、そして課題の四死球が僅かに1と、まるで背番号11石渡のようなピッチングで見事な完投勝利を挙げた。
グローブに魂が乗り移ったのだろうか・・・。
守備陣もノーミスで木村正を盛り立て、特にサード宮本が5度の守備機会を完璧にこなしてチームを鼓舞した。


これでダイヤモンドリーグは1勝1敗とし、決勝トーナメント進出へ望みを繋いだ。
そしてスピリッツもサインプレー開始から4連勝と、着実にシーズン序盤の負け越しを返してきている。

シーズン開始前から今シーズンは投手成長の年と銘打っていたが、その成果が徐々に現れつつあるスピリッツ投手陣。
背番号11を受け継ぐ男が、果たして誰になるのだろうか・・・。