試合結果詳細

【３部春季大会③】

　誰もが息をのんだ。悪夢もよぎった。サドン突入の六回、２死満塁。高々と舞い上がった白球が風にあおられ、ライト池田を襲った。天国と地獄の分かれ道。「これは捕らなければいけないやつだと思った」と、最年長37歳。足をふらつかせながら落下点へ入り、最後は芝生に体を投げ飛ばした。激闘の行く末を決めた執念キャッチ。５年間の経験が、土壇場のビッグプレーを呼び込んだ。
　「余力はなかった。祈るような気持ちだった」と、133球完投の日暮。池田の好守で流れをつかみ、佐藤の死球でサヨナラ勝ち。死闘に終止符が打たれた。
　追いつかれても追い越されても、気迫は衰えなかった。一回は、シンジの先頭打者本塁打に始まり、林の犠飛、菊野の中前適時打で４点を先制。だが、逆転満塁弾を浴びた三回以降は、一進一退の攻防。最終五回は、1点ビハインドで追い込まれたが、林の三盗が悪送球を誘い、サドンに持ち込んだ。
　主将の佐藤は「きつい試合だったけど、よく勝てた。次も泥くさく、全員で食らいついていきたい」。チームは昨秋から破竹の７連勝。３部昇格初年度でベスト８に進出した。次戦は４強をかけ、デリバリーズと戦う。

　菊野(今季初安打がタイムリー)「つまったけど気持ちでもっていった。つかんだね」