試合結果詳細

【３部春季大会準決勝】

　総力戦の末に力尽き、惜しくも決勝進出を逃した。
　ダブルヘッダー２戦目。エース不在の窮地で、大一番のマウンドに上がったのは平野。小学生時代は大型左腕として注目された逸材だったが、先天的なハートの弱さからくる突発的ノーコン病が致命傷となり、野手に専念。公式戦登板は大乱調の末に降板した吉野工業戦以来、実に４年ぶりだった。
　玉砕覚悟の博打采配。だが、これがはまった。立ち上がりに適時二塁打で１失点したが、二回から要所を締める投球。「ミットだけ見て腕を振った」と20年以上の眠りから覚め、四回まで１失点に抑える快投劇を演じた。
　奮闘の平野を、打線も援護。二回、林が「ドンピシャ。真芯だった」と、左越えに特大の同点ソロ。五回は、強烈左前打の池田を一塁に置き、佐藤が初球を振り抜き、右越え２ラン。勝ち越しに成功すると、さらに新井の左前打、平野の右越え適時打などで加点。５ー１とした。
　その裏、初めてリードを奪って平野も変調。疲労も重なって球が抜け始め、無死一塁から３連続四球を与え、５ー２。さらに無死満塁のピンチを迎え、準々決勝完投の日暮にスイッチした。右腕は暴投などでさらに２点を追加されたが、気迫の投球で安打は許さず、１点リードを死守。最終回も連打で無死二、三塁から二死までこぎつけたが、あとアウトひとつで中前に同点適時打を許した。二走の本塁生還は中堅手佐藤がこの試合２つ目の補殺でしのいだが、サドンに持ち込まれた。
　精魂尽き果て、サドンでは佐藤が中直、日暮が一ゴロで得点できず、その裏に初球死球。平野、日暮の熱投は実らず、サヨナラ負けした。

　佐藤主将「ひぐはよく投げたし、平野は予想以上。今日だけの可能性はあるけど、見直したよ。打線もつながっていたし、まだまだ伸びしろを感じられた春だった」