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公式戦

2020/11/28(土) 15:10〜

東京1リーグ

チームロゴ29ers

勝ち

3-12

チームロゴ草野球チームYazees
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
チームロゴ 29ers 0 0 0 0 3 3
チームロゴ 草野球チ… 0 0 0 12 12

S

-

HR

郷原

コメント


2020年11月28日
29ers戦評
東京1リーグ優勝決定戦
@東綾瀬公園

▼▼▼

ヤジーズ東京1リーグ優勝決定試合リポート ~東綾瀬11.28決戦の巻~
(text by 堅田)

 こんな一年になると、誰が想像しただろうか。
 新型ウイルス感染拡大が、日本に、世界に大きな影を落とした。
 その世界の片隅で、日々、野球道に邁進する我らがヤジーズも影響を受けざるをえない。

 今春、緊急事態宣言の発令、それにともなう都内公園・野球グラウンドの使用が禁止され、活動の実施も危ぶまれる事態となった。

 活動再開時には、そんなフラストレーションを爆発させるかのように、ヤジーズ選手たちは躍動した。
 中でも、特例的にトーナメント制で行われた東京1(ワン)リーグでは、初戦の東京Mを6対2と快勝。11月28日に行われる決勝戦へと駒を進めた。相手は猛打で鳴らす29ersである。“東京1リーグのソフトバンクホークス”と言っても過言ではない強力な打線を引っさげ、初戦ではナショナルズを下し、激戦のトーナメントを勝ち上がってきた。

 来たる決戦の日。11月28日。
 晩秋の東京はくっきりと晴れ、雲ひとつない快晴の下、東綾瀬公園にて決勝の火蓋が切られた。

 なお、同一グラウンドの対角では、3位決定戦が同時並行で行われており、東綾瀬野球場A・B面はいわば貸し切り状態で、史上まれに見る一大決戦の様相を呈す。(試合前には4チーム合同での記念撮影が行われたのは、ニューノーマル時代にありながら、日常の復活を感じさせるシーンであった)

 さて、試合開始である。
 コロナ対策として試合前の礼がホームベース付近に集まることなく各ベンチ前で行われ、派遣審判によるプレイボールの声が響き渡った。

 先攻・東京29ers、後攻・ヤジーズ。

 まっさらなマウンドに上がるヤジーズの先発は、もちろんエース・久保。前回の完投登板から中13日の先発マウンドとなる。先頭打者を三振、2番打者をピッチャーゴロ、3番打者をサード加藤へのゴロに打ち取り、三者凡退で最高の立ち上がりを見せる。

 初回、ヤジーズの攻撃は一番清水、二番堅田が連続三振に取られ、あっという間に二死となるも、三番加藤がフォアボールを選び、四番羽二生がピッチャーエラーを誘い2死1・2塁の先制チャンスを作る。ここで期待の新人・三上が打席に。しかし、惜しくもセカンドゴロに倒れ、先制とはならなかった。

 相手ピッチャーはガッチリとした体型の背番号42。ジャッキー・ロビンソンかマリアノ・リベラをリスペクトしたと思われる迫力の投球を見せる。球速110km/h台(目測)のキレのあるストレートと鋭く曲がるスライダーを武器に三振の山を築いた。コントロールはアバウトながら、決まるときはコースに決まる荒れ球にヤジーズ打線は手を焼き、3イニングを終え7奪三振。3回裏には佐伯敦、中居、山口を三振に奪い、思わず「アウト全部三振じゃね―か」とつぶやかせる投球を見せた。

 一方、ヤジーズのエース久保は、

「今日は調子が良くなかった」

 と試合後に漏らすほどの内容となったが、それでも粘りの投球を見せる。

 2回、3回と連続デッドボール、フォアボールがからみ毎回ランナーを三塁まで進めるも、要所を三振、内野ゴロで締め4回までを無失点で抑える。とくに2回表、二死2・3塁のピンチでは、バッターをサードゴロに打ち取り、サード加藤の難しい送球をファースト野沢がうまく掬ってアウトにするなど、バックもヤジーズではまれに見る固い守りでノーエラー。最後まで久保をもりたてた。

 度重なるピンチをしのぎ、試合は4回裏の攻撃へと進む。
 ピンチの後にチャンスあり。
 打者2巡目に入るこのイニング、ヤジーズ球史に残る怒涛の攻撃が待っていようとは、まだ誰も知らない……。

 相手ピッチャー・背番号42は回を増すごとにその球速を増し、変化球のキレは内角高めに来るかと思われたボールが外角低めストライクに決まるほど、より鋭くなっている。
 そのボールを見つめる先頭打者清水。その視線も負けじと鋭さを増す。

 2球で追い込まれ0B2S、打者劣勢のカウントながら、3球目に浮いたボールを清水は見逃さなかった。

 外角高めのボールにうまく合わせ、振り切らずに流し打った打球は

「落ちろ!」

 一塁ベンチの念が通じたかライト線フェアゾーンにスコンと落ちる。快足飛ばしセカンドを陥れると、打球の迫力に気圧された右翼手が打球処理に戸惑っているあいだに清水は3塁へと進んだ。

 無死三塁。このチャンスに二番・堅田が打席に入る。1B1Sとカウントを作った勝負の三球目、内角のストレートを振り抜くと、打球はマウンドの手前で大きくワンバウンド。相手投手がくわっと目を見開き小ジャンプ、左手をいっぱいに伸ばすもグラブはわずかに届かず、打球は前進守備のショート・セカンドの間を転々と跳ねセンター前へと抜けた。先制タイムリーヒットを放った一塁塁上の堅田は一塁ベンチへ向かってガッツポーズ。スタンドからはヒットマーチの大演奏が鳴り響いていた(幻聴)。

 続く加藤はレフト前ヒット(3連打)、羽二生もレフトタイムリーヒットと続く(4連打)。三上がデッドボールでつなぐと、満塁の場面で打者郷原。その初球。ストレートを迷いなく振り抜いた。火の出るような打球が一瞬で右中間を破る。その間に一塁、二塁、三塁ランナーが全員帰り、そして打者走者の郷原はダイアモンドを疾駆一周ホームベースを駆け抜けて、満塁ホームランが飛び出した。一塁ベンチは大盛り上がり。東綾瀬公園のアルプススタンドに詰めかけた4万5000人の観客もやんややんやの喝采でこの快挙を讃えた(幻覚)。

 ヤジーズの猛攻は止まらない。

 久保が四球で出塁すると、大きなリードからキャッチャーの牽制悪送球を誘い一気に三塁を陥れる。続く佐伯敦は闘志溢れる独特のスイングでキャッチャーインターフェアをもぎ取ると、前打席にスライダーを狙い打ちチーム初ヒットを放っている佐伯圭も四球で続く。11番打者・中居が放った打球はピッチャー前へのゴロでフィルダースチョイスとなり追加点。二死で打順は一番清水へ。この回打者一巡となる。清水は四球を選び、堅田が振り逃げでさらに得点を追加。

 二死満塁の場面で、打席には前打席レフト前ヒットの三番加藤。今度はセンターへ大飛球をかっ飛ばすと、ランナーがすべて帰る走者一掃のスリーベースとなった。 

 都合打者16人、6安打、12得点の歴史的猛攻で一気に試合を決定づけた。
 なお、1イニング12得点について佐伯圭監督は「こんなの記憶にない」とコメント。1イニングにおけるヤジーズ史上最大得点を記録した。ギネスに申請したほうがいい。

 しかし5回の表、29ers打線が反撃に出る。

 先頭打者からセンター前ヒット、ライト線上を破る二塁打、センターオーバー三塁打と3連打。一気に2点を返す。

(まさか……)
(よもや……)
(よもやよもや だ……)

 ピンチの後にチャンスあり、ならば、チャンスの後にピンチが来るのか。
 「12点差を逆転されるのでは?」。悪夢的展開が全員の胸をよぎる。
 ヤジーズナインの胸中に暗雲が立ち込める中、このピンチに踏ん張ったのはエース久保、そして三上のフレッシュ・バッテリーであった。
 粘られた末に三番打者を三振に打ち取ると、四番打者をピッチャーゴロに仕留める。
 あとひとり。
 ラストバッター五番打者が打った打球はフラフラとセカンド上空へと舞い上がる。

 この回からセカンド守備についていた山口。この日ユニフォームのズボンを忘れ、急遽ジャージを買い求めている。その山口へ運命の打球が飛ぶ。
 ようやく火の入ったナイター照明が、やけに明るくセカンド山口を照らしている。
 
 パシッ。

 軟式ボールがグラブに収まる、独特の乾いた音がグラウンドに響く。
 山口はラオウのように直立不動である。あるいは『機動戦士ガンダム』ラストシューティングのように足を肩幅に広げ、天空に左手を伸ばしている。
 取った、取った、掴んだ。
 派遣審判が「ゲームセット」を告げ、この瞬間、ヤジーズの東京1リーグ優勝が決定した。

 ウィニングボールを確かに握りしめた山口は

「ジャージを買った甲斐があった」

 と述懐し、ヤジーズの優勝に華を添えた。この優勝決定ジャージズボンは、後日、野球博物館に展示される予定である。

 こうして東京1リーグ2020の戦いは幕を下ろした。
 これは、ヤジーズの勝利である。
 そして、未曾有の状況下で万難を廃し試合に参加した各員の勝利であり、なによりコロナ陽性・微陽性を出さなかったリーグメンバー健康体の勝利である。気の抜けない情勢の中、練習・試合に参加し、ときにバッティングセンターで課金を重ね研鑽を積んだ選手たちに敬意を表する。
 また、今季活動には未だ参加できていないものの、対コロナ戦線の最前線で日夜奮戦しているであろう大手代表に拍手を送り、筆を擱く。

 皆様、今後も三密を避け、感染拡大と体調管理には十分にご注意ください。

 コロナに負けずよくがんばった! 感動した!

# 選手名
25 清水 耕司
36 堅田 智裕
27 加藤 智瑛
21 羽二生 祥馬
- ジョン
54 野澤 宗純
- 郷原
8 久保 修亮
7 佐伯 敦史
10 佐伯 圭一郎
26 中居 裕一郎
16 山口 雅史
# 選手名
# 選手名 出場 打順 守備 打席 打数 安打 打点 得点 盗塁 二塁打 三塁打 得点圏打数 得点圏安打 三振 四球 死球 犠打 犠飛 併殺打 敵失 失策 盗塁阻止
25 清水 耕司 先発 1 3 2 1 0 1 2 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0
36 堅田 智裕 先発 2 3 3 1 0 1 2 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0
27 加藤 智瑛 先発 3 2 2 2 0 2 1 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
21 羽二生 祥馬 先発 4 3 3 1 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0
- ジョン 先発 5 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0
54 野澤 宗純 先発 6 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0
- 郷原 先発 6 2 2 1 1 4 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
8 久保 修亮 先発 8 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0
7 佐伯 敦史 先発 9 2 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0
10 佐伯 圭一郎 先発 10 DH 2 1 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0
26 中居 裕一郎 先発 11 - 2 2 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
16 山口 雅史 先発 12 - 2 2 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0
# 選手名 出場 打順 守備 打席 打数 安打 打点 得点 盗塁 二塁打 三塁打 得点圏打数 得点圏安打 三振 四球 死球 犠打 犠飛 併殺打 敵失 失策 盗塁阻止

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# 選手名
8 久保 修亮
# 選手名
# 選手名 勝敗 投球回 投球数 失点 自責点 完投 完封 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 ボーク 暴投 登板順
8 久保 修亮 50/3 0 3 3 - 4 0 4 3 0 0 0 1
# 選手名 勝敗 投球回 投球数 失点 自責点 完投 完封 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 ボーク 暴投 登板順

※左右に横スクロールするとさらに細かい情報を見ることができます

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