試合結果詳細

ヤジーズ存続の危機からの体制の刷新。
新型コロナウイルスの蔓延と活動の制限。
何者かに呪われたかのように繰り返される練習試合の雨天中止。
そして、1リーグ優勝。
あまりにも多くのことが起こった2020年、その最終戦が、この日この場所、 2020年12月20日　篠崎公園野球場にて執り行われた。

寒風吹きすさぶ中、身を震わせながら試合の開始を迎える。
冬の弱い日差しを遮る雲がないのがせめてもの慰めか。
そんな甘さをあざ笑うかのように、冬至を数日後に迎える太陽が、低い位置から陽光を 打者と捕手の目元をめがけて、真っすぐに突き刺してくる。

そんな逆境にも関わらず、試合は初回から動く。
先行のヤジーズは、先頭こそ内野ゴロに倒れるが、続く野澤、郷原(兄)、福山がヒット、エラー、ヒット で出塁を重ねると、相手先発投手の制球が定まらないことを見て取った郷原(弟)、佐伯(敦)が2連続押し出しを勝ち取る。
続くチャンスは後続が倒れ、追加点はならなかったが、幸先よく2点を先取した。

この日は必ずしも調子が良いわけではなかった、とはヤジーズ先発、久保の自己評価であったが、確かに立ち上がりは、審判の判定との相性もあって、先頭に四球を与えた後、2連続安打にエラー も絡んで2点を失った。
しかし後続はきっちりと打ち取り、傷口を広げない辺りはさすがにエース。

2回表。ベンチに戻ってそのまま打席に向かった久保は、自己テーマとしていた好球必打の姿勢を貫いて 四球を選ぶ。その後、けん制悪送球から3塁に進むと、山口の当たり損ねの打球がライト前にポテンと落ちて 幸運な追加点。 続く佐伯(圭)がすかさず送りバントを初球で決め、野澤が四球で繋ぐと、郷原(兄)が走者一掃のツーベース。 ここで終わらず、福山、郷原(弟)がしぶとく四球を選び、堅田がタイムリーでさらに2点追加。
この回合計5点を加える。

2回裏は久保自らのエラーも含めて3つのエラーが出てしまい、四球も絡んで、被安打1本ながら2点を 失ってしまう。
しかし、この日のヤジーズ打線はその程度の失点など歯牙にもかけない。
3回に5四死球と３エラーのみ、ノーヒットで6点を奪う巧者ぶりを見せたかと思えば、5回には5連続安打・3連続安打を含む合計9安打の豪打を披露し、3四球など含めて一挙11点を挙げる。 (なお、中居、佐伯(敦)は同イニングでの2打席連続ヒットを達成)

それに応えるかのごとく、久保は尻上がりに調子を上げ、3、4、5をヒット1本に抑える力投。
4回の守備では1死2塁から内野ゴロエラーをカバーしたレフト郷原(弟)が、なんとセカンドランナーを 三塁で刺すスーパープレーを見せて、バックも盛り立てる。
22点ものリードを奪ったヤジーズは、来季への試金石となるか、郷原(兄)をマウンドに上げる。
急遽の登板に固くなったか、郷原(兄)はポンポンと２ストライクまでは追い込むものの、 その後のコントロールに苦しみ4四死球を与えるが、1失点で踏ん張り、粘り強さを見せる。

日没のため、最終回となった7回には、中居、山口がそれぞれ猛打賞となる3安打目と、久保のこの日個人5つ目の四球で ランナーをためると、佐伯(圭)がヤジーズ先発全員安打の達成を決めるレフトへのツーベースを放ち、ダメ押し。

終わってみれば27対5。ヤジーズ空前の大勝で激動の1年を締め括ったのだった。


以上、戦評でした。 山口