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WBC台湾代表メンバー!注目選手、過去の成績も解説

2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシックWBC)に向け、台湾(チャイニーズタイペイ)代表メンバー30名が発表されました。 2024年のプレミア12で侍ジャパンを破り初優勝を飾った台湾野球界は、世界から大きな注目を集めています。

今回のWBC台湾代表は、投打ともに国際経験豊富な顔ぶれが揃っています。投手陣では福岡ソフトバンクホークスに加入した最速158キロ右腕の徐若熙や、北海道日本ハムファイターズ古林睿煬孫易磊といった日本球界でプレーする選手が選出されました。野手ではプレミア12でMVPに輝いた陳傑憲を筆頭に、西武に加入した林安可など実力者が名を連ねています。

この記事では、WBC台湾代表の全メンバー一覧とともに特に注目すべき選手を詳しく紹介します。また、国際大会における台湾代表のこれまでの成績についても解説します。

WBC台湾代表一覧

2026年WBC台湾代表メンバー30名は以下の通りです。監督は2024年プレミア12に引き続き、曽豪駒氏が務めます。

ポジション選手名所属チーム
投手林凱威味全ドラゴンズ
投手徐若熙福岡ソフトバンクホークス
投手古林睿煬北海道日本ハムファイターズ
投手林詩翔台鋼ホークス
投手張奕富邦ガーディアンズ(元西武)
投手陳冠宇楽天モンキーズ(元ロッテ)
投手張峻瑋福岡ソフトバンクホークス
投手林維恩アスレチックス傘下2A
投手陳柏毓パイレーツ傘下3A
投手林昱珉ダイヤモンドバックス傘下3A
投手鄭浩均中信ブラザーズ
投手荘陳仲敖アスレチックス傘下2A
投手胡智為統一ライオンズ
投手曽峻岳富邦ガーディアンズ
投手沙子宸アスレチックス傘下A+
投手孫易磊北海道日本ハムファイターズ
捕手ギリギラウ・コンクアン味全ドラゴンズ
捕手林家正FA(元アスレチックス傘下)
捕手蒋少宏味全ドラゴンズ
内野手鄭宗哲所属未定(元パイレーツ傘下)
内野手林子偉楽天モンキーズ
内野手張育成富邦ガーディアンズ
内野手ジョナソン・ロングカブス傘下
内野手呉念庭台鋼ホークス(元西武)
内野手李灝宇タイガース傘下
内野手江坤宇中信ブラザーズ
外野手スチュアート・フェアチャイルドガーディアンズ傘下
外野手陳傑憲統一ライオンズ
外野手林安可埼玉西武ライオンズ
外野手陳晨威楽天モンキーズ

今回の台湾代表は、投手16人中9人が海外組という特徴があります。日本のNPBでプレーする選手だけでなく、MLBの傘下組織でプレーする選手も多数選出されており、国際経験が豊富な陣容となっています。

台湾は1次ラウンドでプールCに入り、日本やチェコ、オーストラリア、韓国と対戦することが決まっています。初戦の相手はオーストラリアです。

WBC台湾代表の注目選手

台湾代表には実力と実績を兼ね備えた選手が多数揃っていますが、その中でも特に注目すべき4選手を紹介します。

徐若熙(ソフトバンク)

今回の台湾代表投手陣の中でも最も注目を集めているのが、2025年12月22日付で福岡ソフトバンクホークスに加入したばかりの徐若熙(シュー・ルオシー)です。2000年11月生まれの25歳で、最速158キロのストレートを武器にする本格派右腕として台湾球界を牽引してきました。

2019年のCPBL(台湾プロ野球/華職業棒球大聯盟)ドラフトで味全ドラゴンズから1位(全体6位)指名を受けて入団しましたが、プロ1年目に右肘のクリーニング手術、2022年にはトミー・ジョン手術を経験するなどキャリア序盤は怪我との戦いでした。しかし復活を果たすと、2023年には台湾シリーズでMVPを獲得。2024年シーズンは19試合で5勝7敗、防御率2.05という安定した成績を残しました。

スリークォーターから繰り出す最速158キロのストレートに加え、スプリットチェンジ、スライダー、カーブを操ります。 投球回を上回る奪三振数を記録する三振奪取能力の高さが最大の魅力です。

2025年オフにはMLBドジャースや日ハムなど日米複数球団による争奪戦の末、ソフトバンクが3年総額15億円で獲得しました。WBCでは台湾代表の先発ローテーションの柱として、強豪国相手にどのような投球を見せるか注目です。

古林睿煬(日本ハム)

北海道日本ハムファイターズに所属する古林睿煬(グーリン・ルェヤン)も、台湾代表投手陣の中核を担う存在です。2000年6月生まれの24歳で、身長184cmの恵まれた体格から球威のある直球を投げ下ろす右腕投手です。

台湾の原住民族タイヤル族の血を引いており、「台灣金孫」「火球男」といった愛称で親しまれています。姓の「古林」は両親の「古」と「林」を組み合わせた双姓(女系結婚の際に父方の姓を残すことなどを目的に、2つの姓を統合し代々受け継ぐしくみ)で、元阪神の郭李建夫と同じパターンです。

2018年のドラフトで統一ライオンズから1位指名を受けて入団しました。2024年シーズンには最優秀防御率と年間MVPを同時に獲得するなど、台湾球界を代表する投手に成長しています。

2023年11月に行われた国際大会では侍ジャパンを相手に7回途中1失点の好投を披露しました。この当時から日本のプロ野球への憧れを口にしていましたがやはり活躍は高く評価され、2024年オフにポスティングシステムで日本ハムに移籍しました。憧れの選手としてダルビッシュ有を挙げており、入団会見ではダルビッシュからの祝福メッセージも披露されました。

孫易磊(日本ハム)

古林睿煬と同じく日本ハムに所属する孫易磊(スン・イーレイ)は、台湾代表の中でも最も将来性を感じさせる若手投手です。2005年2月生まれと若く、今大会開始の時点でもまだ21歳。剛速球と落ちる変化球を武器にする右腕は、まさに「台湾の宝」と形容するにふさわしい才能です。

優れたアスリートを多く輩出してきた台湾の原住民族・アミ族の血を引いており、兄の孫易伸も台鋼ホークスでプレーするプロ野球選手です。幼少期から投打両面で才能を発揮し、U-12やU-18といった年代別国際大会で活躍してきました。

高校時代は入学直後からレギュラー入りを果たし、投手として圧倒的な成績を残してきました。そのためCPBLドラフト参加なら上位指名確実とされていましたが、本人は海外挑戦を希望。2024年9月に日本ハムと育成選手契約を締結しました。日本ハムが海外アマチュア選手と契約するのは、球団史上初のことでした。

新庄剛志監督は「大谷君を超えるかもしれない」と二刀流での育成プランに言及しています。2025年5月には支配下登録への昇格を勝ち取り、一軍で9試合に登板して4ホールドを記録しました。

WBC予選では負ければ終わりのスペイン戦で終盤の満塁ピンチを抑え、精神力の強さを証明しました。本戦でも若さと勢いで台湾代表に勝利をもたらす活躍が期待されます。

陳傑憲(統一ライオンズ)

台湾代表の攻撃の中心として欠かせないのが、統一ライオンズのキャプテン、陳傑憲(チェン・ジェシェン)です。1994年1月生まれの32歳で、卓越したバットコントロールと広い守備範囲を持つ外野手として知られています。

陳傑憲には日本との深い縁があります。高校時代は私立岡山県共生高等学校に野球留学し、一学年上の呉念庭(元西武)と三遊間を組んでいました。

卒業後にNPB入りを目指してプロ志望届を提出しましたが、ドラフトで指名漏れを経験。帰国後は台湾電力でプレーし、その後CPBLドラフトに挑戦。晴れて統一ライオンズから2位指名を受け、プロ入りを果たしました。

プロ入り後の2016年から2024年まで9年間毎年3割を超える打率を残す安打製造機に成長しました。憧れの選手だという秋山翔吾(広島)を参考にしたバッティングフォームで、速球にも変化球にも対応する高いミート力が武器です。

2024年のプレミア12では台湾代表のキャプテンとして3番打者を務め、決勝の日本戦で3ラン本塁打を含む3安打3打点の大暴れ。打率.625、2本塁打、6打点という成績で大会MVPに輝きました。
12年前にドラフト指名漏れとなった日本の地で優勝トロフィーを掲げた姿は、多くのファンの涙を誘いました。

国際大会における台湾代表の成績

台湾は野球を事実上の国技として位置づけており、国際大会での活躍は国民の大きな関心事となっています。ここでは、WBC、プレミア12、オリンピックという三大国際大会における台湾代表のこれまでの成績を振り返ります。

WBC

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)において、台湾代表はこれまで苦戦を強いられてきました。過去5回の大会で2次ラウンドに進出できたのは2013年の1度のみで、他はすべて1次ラウンドで敗退しています。

2006年の第1回大会では、主力選手の辞退もあり1次ラウンドで姿を消しました。総当たり方式リーグ戦からダブルイリミネーション方式トーナメント戦へと変更された2009年の第2回大会では、初戦で韓国に0-9と大敗し中国にも敗れ、1勝も挙げることなく2試合のみで敗退しています。

しかし転機となったのは2013年の第3回大会では、1次ラウンドを2勝1敗の1位で初めて突破し、東京ドームで行われた2次ラウンドでは3連覇を狙う日本と延長10回にわたる激闘を繰り広げました。最終的には3-4で惜敗しましたが、この試合は台湾野球史に残る名勝負として語り継がれています。

2017年の第4回大会ではメンバー招集に難航し1次ラウンドで3連敗。2023年の第5回大会は自国開催でしたが、全チームが2勝2敗で並ぶ中で失点率が最下位となり敗退しました。

2025年2月の予選では、プレミア12優勝チームとして楽勝と思われましたがニカラグアに完封負けを喫するなど苦戦。最終的にはプレーオフでスペインを下して本大会出場権を獲得しました。

オリンピック

オリンピックの野球競技において、台湾代表は輝かしい実績を残しています。

1992年のバルセロナオリンピックでは、野球が正式競技となった記念すべき大会で銀メダルを獲得しました。決勝でキューバに敗れたものの、銀メダルは台湾スポーツ界にとって大きな栄誉となりました。当時のエースだった郭李建夫は日本戦でも好投を見せ、台湾の快進撃を支えました。

さらに遡ると、1984年のロサンゼルスオリンピックでは公開競技として野球が実施され、台湾は銅メダルを獲得しています。正式競技となる前から国際舞台で結果を残してきた歴史があります。

しかし、バルセロナより後のオリンピックでは苦戦が続いています。1996年アトランタ大会と2000年シドニー大会で予選敗退、2004年アテネ大会と2008年北京大会は5位、野球が追加種目として12年ぶりに復活した2021年の東京オリンピックも予選で敗退し本大会出場を逃しています。

プレミア12

WBCやオリンピックでは苦戦を強いられている一方、WBSCプレミア12では2024年に優勝しています

決勝で侍ジャパンを4-0で下して手にした初めての三大国際大会優勝は、台湾野球界に残る記念碑的な偉業達成となりました。

台湾全土を熱狂の渦に巻き込み、決勝戦の視聴率は驚異的な数字を記録。各地のパブリックビューイング会場から歓声が上がりました。優勝記念の500元紙幣の発行が発表されるなど、国を挙げてのお祭り騒ぎとなりました。

優勝パレードには数万人のファンが詰めかけ、陳傑憲をはじめとする選手たちは国民的英雄として迎えられました。

ちなみに2015年の第1回大会では自国開催ながらグループリーグで敗退し、2019年の第2回大会では準々決勝で日本に敗れベスト8でした。2024年大会の優勝は、これまでの悔しさを晴らす形となりました。

また賭博問題で一時は人気が低迷していた台湾プロ野球にとって、この優勝はファンを呼び戻す大きなきっかけにもなりました。

国際大会での経験を積み重ねてきた台湾野球は、2024年のプレミア12優勝で新たな時代を迎えました。2026年のWBCの1次ラウンドでは、日本や韓国といった強豪国に挑戦することになります。世界一を目指す台湾代表の戦いから目が離せません。