試合結果詳細

リーグ戦。
この試合も私（湯浅）は仕事で欠席となってしまった為、スコアブックを参照した上でのコメントとなる。
まず全体的な印象としては、非常に締まった良い内容であったように感じられる。失策数も１、しかもそれ自体は失点に結びついていない。また毎回のように細かいチャンスを活かして得点を重ね常にリードした展開。最終回に逆転サヨナラを許してはしまったが、全体を通して悪い内容ではなかったのではないか。
惜しむらくは当日の投手層の薄さであろう。先発守屋は途中まで、四球６を許す決して良い内容ではなかったようだが、豊富な経験を活かしてなんとかしのいで試合をつくったが、最終回にリリーフした竹田洋が捕まった。現時点では、投手として技術的にも経験的にも発展途上の竹田洋には少々荷が重かったのかもしれない。打たれた４つの安打のうち３つが内野の頭を超えていることから、恐らくコントロールが定まる前に高めの球を連打されてしまったのであろう。ここに矢野・湯浅といった経験のある投手が参加できていれば、また結果は違っていたのかもしれない。とは言え、竹田洋にとっても良い経験にはなった筈だ。今後、更にこのような緊迫した場面でマウンドに立つ機会は増えるであろうから、如何に「どんな場面でマウンドに上がっても、普段通りの投球をすることができるのか」を考えた準備ができるのかがポイントだ。その為にはこの冬の間に、徹底的に自身の投球フォームを確立させ、いつでも同じリズムで投げられるようになっておく必要がある。
打撃面に目を向けよう。
まず気がついたのは、球に逆らわない打球が多かったことだ。この試合、GBは5安打しているが、全てがほぼセンターから右方向（左打者は逆）に飛んだものだ。「実は振り遅れ」なのかもしれないが、無理に打ちにいって引っ掛けるよりはよっぽど良い。また内野へのポップフライアウトが一つもないのも評価できるであろう。「上から叩いて強く転がす」意識が随分と身についてきたのかもしれない。今後もこのような意識を強く持って試合に臨んでいければ、この試合のように細かく得点を重ね、強豪相手にも渉り合えるチームになっていけるであろう。
実際GBの打力は、残念ながらかなり弱い。これは一朝一夕でどうにかなるものでもない。力勝負で得点を重ねられるようなチームではないので、だからこそ繋ぐ意識と相手の隙をつく野球をしなければ、なかなか得点力を上げることはできない。そのことを選手全員が意識して練習を行ない、そして試合に臨むことが勝利への近道となるであろう。

結局、この試合が今期最終戦となった訳であるが、来期に向けて明るい材料が多い試合であったと言えるのではないであろうか。
昨年一昨年と比較すると、序盤でビッグイニングをつくられてそのままズルズルと負けてしまうという試合は随分と減ってきた。しかし未だ、勝つ為には「あと一歩」が足りない。その一歩が何なのか、その一歩を詰めるには何が必要なのか。それには「チーム全体としての何か」よりも、「個々の意識」が大きく関わってくる。個々の選手がそれぞれ、あと一歩ずつ何らかの進化を遂げることが大切だ。つまり選手個々の「個性」を前面に出すことだ。それぞれの課題は違っていて良い。いや、むしろ違っていなければならない。「如何に繋いでチャンスを広げるか」であったり「なんとしても先頭で出塁する」ことであったり「チャンスの場面でも力まずミートしてセンター返しを実践する」ことであったり……。
そのそれぞれの「個性」が、打線の繋がり・流れをつくり、得点力を高めることになる。来期に向けて、それぞれ自分にとって最も望まれている、または合っている「役割り」について考察し、その個性の完成度を高める努力を惜しまないでもらいたい。頑張りましょう！