試合結果詳細

約２年振りに伝統の一戦が帰ってきた。前日から小雨が振り、開始前まで開催が危ぶまれたアメーバさんとの練習試合だったが、定刻の１１時にプレーボールがコールされ熱戦の火蓋が切られた。
試合前シーガルス首脳陣は、新宿のある料亭での儀式を極秘裏に進め、先日監督の交代を電撃発表した。今回の一戦は新任の室田監督が采配する初陣となり、今後のシーガルスの運命が掛かった試合となった。
先行のシーガルスは、２番リアル二刀流で出場した平野が左バッターボックスから放った打球は、ライトフェンス直撃の2塁打。続く３番相原はブロックサインに集中しすぎ投ゴロに打ち取られたが、主砲真壁が粘り三遊間にヒットを放ち１点を先制する。その裏の守備では、先発したサウスポー平野が丁寧にコーナーを突くピッチングで、三振と内野ゴロに仕留める。
２回の攻撃は、四球で出塁した新井がブロックサインを見誤り盗塁失敗したが、続く小野澤が粘り四球を選ぶと、ルーキー平井が足を生かした内安打でチャンスを広げる。しかし、期待のメジャー田口が三ゴロに倒れた。その裏の守備では、平野と内野のリズムが調和する。セカンドに入った室田から「思い切ったプレーをしよう！」と声が掛かり、不安な気持ちが吹っ切れたショート圭ゼロが軽快な動きでアウトにし、この回を三者凡退に抑え流れを作った。
３回の攻撃では平野の四球から、３番相原がブロックサインを見誤り平野の盗塁を何度も妨害したが、何とかヒットで続きチャンスを作る。続く主砲真壁の大きな犠牲フライと、最近は右打者でシャープな打撃を見せる内山がレフトにクリーンヒットを放ち最高の流れで２点を追加し室田監督が嬉しそうにハイタッチで迎えた。その裏の守備では、サード新井の体を挺したプレーがチームの結束を高める。一塁に走者を置きゲッツー体制だった内野陣、注文どおりの打球が圭ゼロへ飛びセカンドにトスしツーアウト、しかし室田は一塁へ暴投する。ここで平野が燃えた。相手１番打者を完璧な投球で三振に抑え、室田のミスを返上し結束を高めた。
４回の攻撃は、ルーキー平井が今日２本目のヒットを放つも得点は入らず。その裏の守備で悪い癖が出る。四球、安打、四球で満塁のピンチ、ショートに飛んだ打球は圭ゼロのミスを誘い１点返されてしまう。ピンチは続きファーストに飛んだ難しい打球を田口が捕球し体制を崩したが、懸命なダイビングする形で一塁ベースにタッチしベンチを沸かせた。
５回の攻撃は２人で１点を追加する。平野が鋭くセンターにヒットを放ちサインプレーで盗塁を決める。続く３番相原は監督からのブロックサインが無かったことで解放されたのか、広角打法で左中間に三塁打を放ちベンチに向かってガッツポーズでチームを鼓舞した。その裏の守備では室田が平野との連携ミスをするも、相手走者にも助けられ室田がゲッツーを取り自ら挽回した。
６回は圭ゼロが粘ってライトにヒットを放つも、後続が打ち取られる。その裏の守備からピンチが続く、エラーや四球で満塁になったが、最後は平野が見事な配球で三振に打ち取る。
最終回も監督の采配が光る。ルーキー平井が猛打賞となるヒットを三遊間に放ち出塁すると、サインプレーで盗塁を決める。１番花田が監督からのバントサインを見事に決めて冷静にランナーを三塁に進めた。ベンチに帰ってきた花田は全員にハイタッチで迎えられ、本人はホッとした表情を浮かべた。続くリアル二刀流で頑張る平野がセカンドの失策を誘い貴重な追加点。野球の神様は見てくれていると感じさせられた。平野は全打席出塁となり正に二刀流の活躍で監督から信頼を得た。その裏の守備は、平野を続投させた監督からの信頼を見せつけた形になる。不運なヒットや四球からノーアウト満塁となり疲れの見えていた平野をバックが声を出して盛り立てる。３点差あるものの伝統の一戦では何が起こるか分からない。ここでギアチェンジしたかのように素晴らしい投球術で三振、女房役内山のダイビング風キャッチ、投手ゴロとピシャッと抑えヒリヒリした試合は終了した。
室田監督は初陣を勝利できた事を忘れられない思い出になっただろう。今日のプレーで掴めた感覚や監督からのメッセージは、これからのシーガルスになくてはならないものになって行くだろう。（記事：tomoji）