幅広い年齢層をまとめるマネジメント力

2020/4/24

プロ野球から少年野球まで国内の人気スポーツとして栄えてきた野球。今では重度の障害のある人も楽しくプレーすることができる「ユニバーサル野球」や5人制でゴムボールを使ってプレーすることができる簡易野球「BASEBALL5」など野球人気は落ちるどころか横に広がり始めている。そんな中、町の野球場では毎週末野球をプレーする大人たちを見ることができる。たかが草野球、されど草野球。teamsでは草野球に情熱を捧げる大人たちに注目し、野球への思い、チーム結成の裏側などを取り上げていく。
第8回は東京都を拠点として活動する、「ROOKIES 」を運営している田中さんにお話しを伺いました。

皆さんが野球をはじめたきっかけは何だろうか?兄弟の影響、両親の影響、プロ野球選手にあこがれたこと、甲子園出場を夢見た、人それぞれ野球をはじめたきっかけは異なるだろう。今回取材させていただいた田中さんも小学校3年生に野球を始めた。理由は友達に誘われ練習体験に行ったサッカーが当日やっておらず、代わりにやっていた野球と出会ったことがきっかけだ。当時の少年野球のコーチがグラウンド外にいた田中さんに声をかけ、ひょんなことから練習に参加。そこで予定外の野球の面白さに引き込まれ、最終的には大学野球まで継続して続けることとなる。まさに運命的な出会いだった。

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現在所属しているROOKIESというチームは田中さんが大学進学時に中学の仲間と作った草野球チーム。田中さんは大学野球の活動があったため、結成当初は日程が合う時だけ出席する助っ人的存在だった。大学を卒業後、草野球活動が本格的にスタート、現在は教師の仕事と両立しながら活動を行っている。

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教師という職業柄か、田中さんのチームをまとめる方法は特徴的だ。ROOKIESは現在約30名の選手が所属し20代~40代の選手まで幅広い年齢層がそろっている。田中さんの弟の加入により、若い選手が入ってきたことも含め、コミュニケーション、上下関係が難しいチーム構成になっている。そんな中、田中さんは各年代に副代表を置くことでチームのマネジメントしている。チームをまとめる上で課題となるのは年下の年代から意見の吸い上げが難しいところ。野球という上下関係の厳しい文化を経験してきている選手達にとって年上の選手に意見を言うことは勇気が必要となる。そこで各年代に副代表を置き、定期的に意見を吸い上げ良好なコミュニケーションを作っている。特にチームに所属している前田さんの弟の中学野球部の監督である加藤さんもROOKIESの一員であり、年齢は43歳とチーム最年長ではあるが、同じ教師の先輩としてチームのマネジメント方法をアドバイスしてもらいこの体制を作るきっかけとなった。加藤さんは技術的な指導はもちろん、年下からも意見、アドバイスをもらうなどチームの活発なコミュニケーションを意識した行動も実践している。田中さんはちょうどチームの中間に位置する年齢ではあるが、こうしたチームメイトにも支えられながら運営を行っているのだ。チームのプレースタイルは守りを中心にした戦い方。1-0、2-0で勝てるチームを目指している。メンバーも実績十分なメンバーがそろっており、甲子園出場選手や、大学野球経験者、草野球の日本代表、SWBCに参戦しているメンバーが所属する。充実したメンバーがいるものの、野球は守りが命と考えの下、チームの練習は基本的に守備練習がメインとなっている。その分試合での攻撃時にはバントやエンドランを絡めた緻密な攻撃を売りにしており攻守のバランスがまとまっているチームに仕立て上げている。

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ROOKIESの目標は全国大会優勝。今は試合をできる環境ではないが、野球ができる日を楽しみに待ち、全員野球でROOKIESらしい野球を魅せていく。

(teams編集部)

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