小さな積み重ねとやり抜く力が野球力を成長させる
2020/4/10
プロ野球から少年野球まで国内の人気スポーツとして栄えてきた野球。今では重度の障害のある人も楽しくプレーすることができる「ユニバーサル野球」や5人制でゴムボールを使ってプレーすることができる簡易野球「BASEBALL5」など野球人気は落ちるどころか横に広がり始めている。そんな中、町の野球場では毎週末野球をプレーする大人たちを見ることができる。たかが草野球、されど草野球。teamsでは草野球に情熱を捧げる大人たちに注目し、野球への思い、チーム結成の裏側などを取り上げていく。
第6回は札幌市を拠点として活動する、「龍神」を運営している宮田さんにお話しを伺いました。
皆さんが野球を始めたのはいつだろうか?おそらく小学2年生~4年生のころに始めた方や遅くとも中学生からという人が多いだろう。幼いころからの練習を積み重ねている方が多い中、今回取材した宮田貴喜さん(36)は高校から野球を始めた。幼いころから野球は好きだったものの両親が理系の家庭ということもありスポーツをやる文化がなかった。
高校入学をきっかけに野球部へ入学するが、宮田さんが入学したのは春夏通じて6回の甲子園出場を誇る強豪私立札幌第一高校だった。スポーツ推薦者が多い中、宮田さんは野球を始めたばかり、周囲との差を感じる中で、つらい日々もあったという。しかし、高校入学前に準備をしていた成果もあり練習には何とか食らいついていくことができた。当時の監督は現在も務める菊池監督。菊池監督の教えの元、宮田さんは緻密な野球を吸収していく。カウント別のポジショニングをはじめ、守り勝つ野球を徹底的に叩き込まれた。結果として、高校3年生時にチームは初の甲子園出場を果たすのである。宮田さんは高校時代にやり抜く力、野球の奥深さを学んだという。その後大学でも軟式野球を続け全国大会に出場。高校から野球を始め、高校大学と全国出場チームの一員として成長を遂げることができた。
社会人になっても野球への情熱は冷めず、スポーツ店に就職。当時店員として働いていた宮田さんにある出会いが訪れる。それが現在所属する草野球チームを運営していた諸橋さんだった。ユニホームを作りに来たお客様だった諸橋さんと宮田さんはすぐに意気投合。宮田さんの持つチームと諸橋さんのチームで試合をすることになった。そこで諸橋さんから一緒にやろうと声をかけてもらい龍神に入団することとなる。
チームの本拠地は北海道札幌市。もちろん冬は積雪の関係で野球ができる環境ではない。北海道の野球シーズンは5月~9月。3月~11月を活動期間に置いているチームと比較しても約半分しか外で野球をすることができない。
しかし、このオフ期間の過ごし方がチームを成長させると宮田さんは言う。室内練習場を借り、平日は21時~23時まで練習、練習場を3分割し、グループ分けをして効率よく練習を実施している。高校時代、緻密な野球を叩き込まれている宮田さんはこういうオフシーズンにチームで徹底する時間に充てることでより力をつけることができると考えている。また、シーズン中もチームの活動は早朝から。朝5時に試合開始、6時半には試合を終了し各自仕事場に向かう。
さらに宮田さんはチームマネタイズを目的にyoutubeでの発信をはじめた。「龍神チャンネル」という名前で元スポーツ店店員という経験を活かし、様々な道具や修理の方法をわかりやすく説明している。
野球をこよなく愛している宮田さん。今後は積雪に加え、コロナウィルスのとの戦いもありなかなか野球ができない日々が続くだろう。こういう時こそ野球を見直し、チームの在り方を考え直すいい時間。宮田さんの野球愛は常に前を見据えている。
(teams編集部)