双子が夢見る天皇杯への道

2020/5/8

プロ野球から少年野球まで国内の人気スポーツとして栄えてきた野球。今では重度の障害のある人も楽しくプレーすることができる「ユニバーサル野球」や5人制でゴムボールを使ってプレーすることができる簡易野球「BASEBALL5」など野球人気は落ちるどころか横に広がり始めている。そんな中、町の野球場では毎週末野球をプレーする大人たちを見ることができる。たかが草野球、されど草野球。teamsでは草野球に情熱を捧げる大人たちに注目し、野球への思い、チーム結成の裏側などを取り上げていく。
第9回は東京都八王子市「プリンズ」の代表を務める五十嵐俊輔さん(34)にお話しを伺いました。

夏の甲子園は開催されるのか。インターハイの中止が決定し、春の甲子園同様に夏の甲子園も中止になるのか、今は関係者や選手も含め不安でいっぱいな時期だろう。今年は開催の可否で注目を集めているが、例年であれば今年の注目選手や、最後の夏にかける選手の純粋な思いが注目され、国民に感動を与えている。様々な注目ポイントがある中で、兄弟で甲子園に出場することもよく見るパターンの一つ。今回取材させていただいた五十嵐さんも双子プレーヤーの一人である。

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五十嵐兄弟が野球に興味を持ったのは小学1年生、最初は地域柄もあり野球ではなく、ソフトボールを始めることになった。6年間ソフトボールを続け、中学では軟式野球を、高校では甲子園を夢見てプレーを続けた。都立藤森高校でプレーし、二人はバッテリーを務めた。今回取材させていただいた弟の俊輔さんが投手、兄の貴和さんが捕手を務めた。ソフトボールをやっていた影響で、肩は二人とも強く、兄弟でバッテリーを入れ替えて出場することもあったという。大学でも野球を続け、卒業後に地元のメンバーを中心に草野球チームプリンズを結成した。

プリンズは八王子市に所属し、毎週日曜日に活動している。現在八王子市連盟の大会は9年連続優勝を続ける強豪チーム。今年は10年連続をかけて大会に挑む予定だ。チームの中心はエースの菊池さん、杏林大学で野球をやっていた実力者。草野球を始めてから投手に転向し、才能が開花。直球とツーシームが武器で都大会でも毎試合二桁奪三振を記録するなど、チームの大黒柱になっている。本来は五十嵐兄弟としてバッテリーを務めたいところだが、俊輔さんが肩をけがしてしまい、現在は捕手を兄の貴和さんが務めている。
そんな中でも兄弟としてチームを引っ張り、またSWBC代表の首脳陣として選ばれる二人であるが、自チームを強くしたいという思いがぶれることはない。

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対戦相手の企業チームの練習を参考にし、試合開始2時間前からのアップをチームに徹底、軟式野球の戦略としてランナー3塁での叩き打ちなど、エース菊池さんを中心に1点を取り、守り切る野球をチームに徹底している。結成当初は楽しく野球ができればいいと考えていた二人だが、メンバーも増え、力もついて来たことがきっかけで次第に上位進出を目指すようになっていた。チームとしては天皇杯進出を目指すプリンズ、今後も双子の兄弟がチームを牽引し、より強いチームを目指していく。

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(teams編集部)

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