【 teams コラム】 投手と捕手の試合でのマインド
2020/5/22
バッテリーのあるべき姿は「投手は捕手を100%信じ、捕手は投手を信じないこと」
「野球は守りから」「全てのプレーは投手から始まる」このような言葉は野球をしていると一度は聞いたことのあるだろう。草野球のような成人軟式では1点を争うゲームも多く、普段から打撃練習より守備練習の時間が多いチームがほとんどで好投手がいるチームは強い。本日は試合の勝敗の8割を握っているとも言われる「バッテリー論」についてお話しします。
バッテリーの試合での関係性については「投手は捕手を100%信じろ。捕手は投手を信じるな」という言葉に尽きます。
投手の一番の役割は打者を抑えることです。野球はどちらのチームが最終的に多く点を取ったのかで勝敗が決まります。逆に言えば投手が点を取られなければ負けないとも言えます。打者を抑えることでチームの勝利に貢献することができるのです。そのため勝敗の結果が直結しやすいポジションとも呼ばれています。また調子や気持ちがプレーに影響しやすく、気持ちの面でも迷いが生じる球は総じて「良い球」にならないことが多いポジションでもあります。そのため捕手を信じて自分を信じてその時々のベストボールを投げることが一番重要で、投手が試合に臨む際に一番必要なマインドは捕手を信じて自分の良い球を投げきるということになります。
それに対して捕手はグラウンドの監督と呼ばれ自分以外の選手が見えるポジション位置であり、野手の守備位置を確認しながら投手の球を受け相手打者と駆け引きをする大変なポジションです。さらにランナーが出るとランナーの警戒も必要です。捕手はとにかくチーム全体に目を配ることが多くリーダーシップも必要なポジションなのです。投手はどんな大投手でも構えたところに全て投げきることができる選手はいません。そのことも考えながら配球する際には、失投になった場合のことも考える必要があります。投手の悪い部分が出てしまった場合でも抑えられる配球であったり、調子が良い投手が何かをきっかけに感覚がずれてしまったりということが起きるからこそ捕手は投手を「疑い」ながら試合でリードしていく必要があります。リスクを管理しつつ投手の良いところを引き出していくことが捕手の役割と言えるのです。
一番大事なのは練習中から一番近くに寄り添いながらコミュニケーションを取ること
もちろん常に投手を疑うのではなく、一番大事なのは練習中から一番近くに寄り添いながら普段からコミュニケーションが取っていることです。コミュニケーションが取れていてこその試合での立ち振る舞いの話になります。このようなアドバイスは全てを飲み込むのではなく自分に合っているものを取捨選択していくことの大切さも古くから言われていますが、ネットでの情報が溢れている今だからこそ必要な能力です。投手も捕手も自分のスタイルを持ちつつ、相手を見つつ何が最善かを考えることが大事です。コロナが開け試合ができる頃になったら試合では投手は素直に捕手を受け入れ、捕手は投手のダメな部分をいかに補ってあげることができるか考えながら試合に臨んでみてもいいかもしれません。
【補足】
バッテリーと投手と捕手のペアの事を指す野球用語。バッテリーという言葉はラテン語のバットゥエレ(battuere)が語源で「大砲」や「砲台」という意味を持つ。投手の投げるボールが大砲のようであったことやピッチャーズマウンドが盛り上がった砲台のように見えることから投手のことを表す。それがいつしか捕手も含めてバッテリーと呼ばれるようになった。※よく言われるプラスとマイナスで電池のようだという由来は後からつけられた。
(teams編集部)