元社会人野球選手の考える、軟式野球の在り方

2020/8/14

<本池太一さん経歴>
岡山県倉敷市生まれ、父が社会人野球まで経験していたこともあり野球を始めた。中学は倉敷ビガーズ、高校で名門関西高校に進学し主に投手として活躍。専修大学に進学後は内野手に転向し、卒業後はJFE西日本で3年間プレー。現在は東京バンバータでプレー

野球を通じた人間形成、チームワークやリーダーシップなど日々の練習や試合、チームメイトや指導者とのコミュニケーションを通じて得られるものはたくさんある。仕事でもこの経験から得たものは活かせることが多く、野球を通じて学んだことを活かして生活している経験者は多いだろう。同じように野球に育ててもらったことに感謝し、野球界に還元したいという思いで活動している選手がいる。それが今回取材させていただいた、東京バンバータの本池太一さん(33)だ。

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中学生で感じた社会人野球の凄さ
岡山県倉敷市出身、父親の影響で小学2年生から野球を始めた本池さんは、中学生の時クラブチーム倉敷ビガーズに在籍した。当時練習場所は社会人野球の名門、JFE西日本のグラウンドだった。野球を始めた当時から目標はプロ野球選手。しかし、幼いころに間近でプレーする社会人選手にいつも刺激を受けていた。自分もこんなレベルで野球がしたいと自然に本池さんは思うようになっていた。

憧れたJFE西日本でプレー
高校は岡山県の名門関西高校へ進学、3年生時には主将兼エースとしてチームの軸にまで成長。大学では「もっと試合に出たい、野球がしたい」と思うようになり、投手から内野手にコンバート。持ち前のセンスでレギュラーをつかんだ。大学野球も終わりを迎えるころ、本池さんは社会人野球でプレーすることを考え始めた。色々な候補の中で、地元JFE西日本を選択。理由は「地元であり、なじみのある球場で野球がしたい」という中学時代の憧れである、JFE西日本でプレーすることを決めたのだった。

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東京バンバータとの出会い
JFE西日本で3年間プレーしたのちに引退。仕事の関係で東京へ引っ越した。それから4年の月日が経ち、野球から離れていたある日、大学野球部の先輩から草野球に誘われた。久しぶりに体を動かしたかったこともあり、誘いに乗った本池さんはここで東京バンバータというチームと出会うことになる。そこには幅広い年齢層の選手が揃っており、個性あふれる方々が多かった。野球では真剣にプレーし、野球以外の場面でも飲み会を徹底して盛り上げたりするなど、10歳以上年が離れている先輩たちを見て、魅力的に感じた。

チームが強くなる過程と学び
東京バンバータには能力の高い選手が揃っている。だが、個々の能力だけで勝つことができないのが野球の難しさ。1年目、2年目と勝利をつかむことはなかなかできなかった。前回取材させていただいた、大阪バンバータ岡本監督も同じことを言っていたが、選手にプライドがあり、組織で相手と戦うことができていなかったそうだ。チームの決め事と組織で戦うことを徹底した結果、チームに一体感が生まれ2014年には全国優勝を果たすことができた。 東京バンバータができた後に、大阪バンバータは結成されている。大阪バンバータでも同じ壁にぶつかっていたと聞いていたが、バンバータとしてチームをまとめる方法がきちんと継承されていることがよくわかる。チーム間での一体感も同じバンバータとして醸成されているのだろう。

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選手選考は面白さが重要
東京バンバータは今では軟式野球界で有名なチーム。基本的には選手同士のつながりでメンバーが構成されているが、セレクションや問い合わせで採用する場合もある。採用基準は人間的な面白さ。社会人として時間がない中、野球で学んだことをビジネスで、ビジネスで学んだことを野球に生かすことがバンバータのルール。野球だけではなく、人生において面白いことをしている人間を選考しているのだとか。学生からの応募も多いが、その場合は社会人になる前の育成としてきちんと指導しており、まさに人間形成を行っている。

学生への指導を通じて、より野球の魅力を知ってもらいたい
軟式野球のいいところは中学生以上であれば、グラウンドや道具の規格が一般レベルと同じであることだと本池さんは言う。中学時代に社会人野球の選手を見て多くのことを学んだ本池さんは同じように今の中学生にも野球を通じて色々なことを伝えたいと考えている。現在バンバータは中学生と一緒に練習する機会を設けている。もちろん本池さん達は指導も行い、子供たちに野球を懸命に教えている。教えることで自分の学びも非常に多いようだ。例えば投げ方ひとつ教えるとしても、体の使い方を言語化し、自分で実践することが必要となる。今まで感覚でやっている部分も、言葉で伝えることは難しく、改めて野球を研究する機会をもらったのだとか。今では教えることに責任を感じており、日本野球連盟のコーチング資格も取得に向けて勉強中だ。

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本池さんと東京バンバータの今後
取材の最後に今後の目標を伺った。「チームとしては連盟大会で優勝すること、個人としては指導者として選手に色々なことを伝えたい」と言ってくれた。東京でクラブチームが優勝したことはいまだなく、企業チームが全て優勝している。バンバータは毎日練習をしたり、皆同じ会社というわけではもちろんない。しかし、その環境下でも強くなれることを勝つことで証明することができる。チームとして今はそこに向けて頑張っているそうだ。個人としてはバンバータジュニア世代を育てたい思いが強い。自身が中学生時代に感じたことと同じように、本池さんのできることを続け、恩返しの日々は続いていく。

(teams編集部)

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