同級生と目指す、いつまでも続くチーム作り
2020/3/6
プロ野球から少年野球まで国内の人気スポーツとして栄えてきた野球。今では重度の障害のある人も楽しくプレーすることができる「ユニバーサル野球」や5人制でゴムボールを使ってプレーすることができる簡易野球「BASEBALL5」など野球人気は落ちるどころか横に広がり始めている。そんな中、町の野球場では毎週末野球をプレーする大人たちを見ることができる。たかが草野球、されど草野球。teamsでは草野球に情熱を捧げる大人たちに注目し、野球への思い、チーム結成の裏側などを取り上げていく。第二回は千葉県「Rossowave」 友人といつまでも続くチーム作り目指す、心掛けについて迫ります。
「草野球チームを作って野球を続けないか?」土井佑太さんの問いかけに「やろう」と二つ返事で小島拓也さんが答えた。これが千葉県柏市を中心に活動する、Rossowave誕生の瞬間となった。
土井さんは小学生のときに野球をはじめ、中学ではシニアでプレー。しかし、自分の実力を知ることと同時に、人間関係も原因となり野球を辞め、高校では陸上部として3年間を過ごした。対照的に小島さんは高校でも野球を続けていた。3年生の時には主将を務め、周りからの信頼も厚く、野球に対して情熱的な選手だった。そんな二人の関係性は中学1年生の時のクラスメイト。入学式の時に一番最初に小島さんが土井さんに声をかけ、野球という共通点をきっかけに仲が深まった。中学1年以降はクラスも同じになることはなく、別のチームで野球をし、高校の進路も違ったが、草野球をやろうと決めたときに土井さんが真っ先に誘ったのは小島さんだった。「どうせやるなら真剣にやりたい」という思いが、野球に対して真剣で、まじめな小島さんを誘うきっかけとなった。
チームのモットーは「10年、20年続くチームへ」teamsでの成績を確認してみると、今年で節目の10年目を迎え、現時点(2020年3月3日)の通算試合数は459試合。2016年以降は年間75試合以上を消化しており、2019年は最多の89試合を記録している。今年も順調にいけばチーム通算500試合も目の前だ。土井さんは「今の仲間を大切にしてきた結果がチームが長く続いている要因」と分析する。チーム構成は中学の仲間が基本だが、メンバーが連れてくる仲間も多く、21歳の大学生から土井さん達28歳のメンバーが最高年齢のチームだ。試合中も元気よく声を出し、楽しそうに野球をしていると相手チームからも声をかけられることがあるという。
チームが集まるのは週に1回。ほとんどが試合で練習は各自に任せている。ただ、試合がない日でも、チームメイトの家に集まり、年2回はBBQを実施。ゴルフや飲みに行くことも仲を深める手段になっているという。中学で野球を辞めた土井さんは今のこの関係に幸せを感じている。地元の仲間と楽しくプレーすることで、学生時代に味わえなかった野球という団体競技の本当の楽しみ方を今、体感できているからだ。
10年間を振り返って一番の思い出は?とお聞きすると、「ベースマン杯決勝で神宮球場で試合をし、優勝したこと」と土井さんは嬉しそうに話してくれた。理由は何とも土井さんらしい回答だった。「参加した選手全員が出場し、全員でつかみ取ったサヨナラ勝利だったから」みんなが参加でき、思い出になる試合をすることでよりチームを好きになり、全員の仲が深まる。その積み重ねが、次の1年、2年とチームの歴史になる。Rossowaveが掲げる10年、20年続くチーム。また何十年後か、お話を聞いてみたいと思わせてくれるチームだった。
(teams編集部)